北海道開発局が管理するかんがい用水専用ダム。
堤高27.8mのアースダムで、下流757.70haの農地に水を供給している。
このダムへ続く道は荒れたダート道で、運転熟練者でなければ訪問をお勧めすることはできない。
水路と化し、深くえぐられた道が四輪の通行を妨げている。
そんな悪路を走行していると、目の前に羽幌ダムが見えてくる。
羽幌ダムはこの世のものとは思えないほどの美しさ。
地獄のようなダート道から、一気に天国に駆け上がった様な感覚だ。
芝生で養生された堤体やダムサイトは、多分、国内ナンバーワンの美しさであろう。
今まで数百のアースダムを見てきたが、このダムが一番美しいと思った。
時を忘れ、いつまでもこの地にいたくなるような感覚を覚えるが、ここはヒグマの宝庫。
注意して見学してほしい。
下流より堤体を眺める。
きれいな芝生で養生されたダムサイト。
中央を横切る溝は余水吐からの導流部。
右岸に設置されている余水吐。
まだ新しそうな色のコンクリート。
余水吐からの導流部を上から眺める。
余水吐からの導流部。
右側が堤体だが、左側も手を抜かずに芝生で養生されている。
減勢工。
そのすぐ先は自然のままの状態。
取水設備からの吐口。
トンネル式になっている。
この上の部分をあえて養生しないのは、芝生とのコントラストを作り出すためだろうか。
その先の河川。
濁っているが、これは数日前の豪雨による影響。
これが綺麗な水だったら言うこと無しだった。
右岸より堤体を眺める。
手前のコンクリートは余水吐からの導流部。
余水吐の部分にある謎の施設。
なぜかここだけ汚い。
火災などがあったと思われる。
天端を眺める。
自動車での通行可能だが、美しすぎて恐れ多く、歩いて渡りたい気分になる。
天端より直下を眺める。
ここはアルプスの草原かと思える光景。
ダム湖を眺める。
大雨の影響で濁っている。
従来はもっと澄んでいる水なのであろう。
左側に自由越流式の余水吐が見える。
かんがい用の取水設備。
この手の取水設備は、なぜ赤色が多いのだろうか。
右岸に設置されている自由越流式の余水吐。
スペック
ダム名 | 羽幌(はぼろ)ダム |
ダム型式 | アース |
河川名/水系名 | 三毛別川/築別川水系 |
所在地 | 北海道苫前郡羽幌町国有林142林班 |
位置 | 北緯44度20分37秒 東経141度55分36秒 |
着工年/完成年 | 1959年/1966年 |
用途 | かんがい用水 |
堤高 | 27.8m |
堤頂長 | 108.4m |
堤体積 | 96,000立方m |
流域面積 | 16.2平方km |
湛水面積 | 32ha |
総貯水容量 | 3,300,000立方m |
有効貯水容量 | 3,160,000立方m |
ダム湖名 | 羽幌貯水池(はぼろちょすいち) |
管理 | 北海道開発局 |
本体施工者 | 地崎工業 |
水位
設計洪水位 | EL 145.57m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 144.20m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 130.00m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | W52m×1門 | 177.00m3/s |
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