福島県が所有するかんがい用水専用ダム。
2011年に起こった東日本大震災で決壊してしまった歴史を持つ。
このページに記載しているダムスペックは、新しく造りかえる予定のものだが、以前のダムは、堤高18.5m、堤頂長133mのアースダムだった。
1937年着手、1949年完成という、戦争をまたいで造られたダムで、ダムの材料もろくにそろわず、また、人手不足を伴いながらのダム建設だったという。
そのため、ダムの強度が不足した状態でダムを運用する運びとなってしまった。
これが原因で、今回の決壊という事態を起こしてしまった。
2011年から新藤沼ダムの建設を開始。
堤高31.4m、堤頂長149.2mとなり、規模を大きくして、立派で丈夫なアースダムに生まれ変わる。
現在、目下建設中だが、見学ツアーなどもおこなっている模様。
ダム建設はめったにお目にかかれるものではないので、ぜひ参加してみると良いだろう。
この手の看板は滅多に見ることができない。
ダム湖上流より堤体建設部を眺める(遠くに見える山の間)。
中央の草が生えている部分はダム湖。
ダム湖上流部分の補強コンクリート。
新ダムは堤高が高くなるが総貯水容量は増えない。
ということで、この部分は以前からの土手を補強したと考えてよいのだろうか。
新ダムは副ダムも伴う。
こちらは副ダムの様子。
堤体本体工事現場へは立入禁止と思いきや、見学ルートがある。徒歩で見学可能。
副ダムのアップ。
土の部分にある緑色の部分が、水を堰き止めるコア(粘土)の部分になると思われる。
こちらは本体の建設現場。
中央の白い部分がコアになると思われる。
その部分のアップ。
赤いラインがダム軸(ダムの中心部分)、青いラインが天端だと思われる。
ダム建設現場全体像。
ダムより下流の部分。
白い斜めのラインが、余水吐からの導流部をあらわしていると思われる。
中央のコンクリートは、堤体観測機が入る部屋らしい。
スペック
ダム名 | 藤沼(ふじぬま)ダム |
ダム型式 | アース |
河川名/水系名 | 簀ノ子川/阿武隈川水系 |
所在地 | 福島県須賀川市 |
位置 | 北緯37度18分07秒 東経140度11分43秒 |
着工年/完成年 | 2011年/2016年 |
用途 | かんがい用水 |
堤高 | 31.4m |
堤頂長 | 149.2m |
堤体積 | 231,000立方m |
流域面積 | 8平方km |
湛水面積 | 17.4ha |
総貯水容量 | 1,500,000立方m |
有効貯水容量 | 1,480,000立方m |
ダム湖名 | 藤沼貯水池(ふじぬまちょすいち) |
管理 | 福島県 |
本体施工者 | 安藤ハザマ・三栄建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
余水吐 | 自由越流式 | 1門 |
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