国土交通省の多目的ダム。
堤高65mの重力式コンクリートダムで、治水の他、上水道用水、工業用水、かんがい用水の確保をおこなっている。
このダムのデザインは非常に変わっており、下流面が石張りの様相をしている。
また、ゲート機械室の屋根が三角形をしていたり、表面取水設備が丸かったりと、どこをとっても何かしらの工夫をしている。
女性のメイクで言えば、口紅とグロスを重ね塗りしていたり、瞳が大きく見えるコンタクトを入れているという具合だ。
このダムのデザインには賛否両論があるらしいが、私は良いと思う。
かんがい用水は3つの取水塔より取水され、1日最大225,200m3もの水が、約4,100haの田畑を潤す。
郡山東部かんがい取水塔、三春南部かんがい取水塔、三春南部かんがい右岸取水塔という名称だが、残念ながらこれらの取水塔の写真を撮り忘れてしまった。
このダムの取水塔はこれだけではなく、この3つの取水塔の他、上水道用水用の郡山上水取水塔や、河川維持放流用の取水塔がある。
これだけ多くの取水塔を持つダムは大変珍しいのではないだろうか。
資料館やレストランがあるので、ゆっくりと時間をとってダム見学をするとよいだろう。
下流より堤体を眺める。
残念ながらこれ以上近づけない。
せっかくのデザインなのにもったいない。
資料館よりダム湖を眺める。
かなり渇水だ。
右岸より堤体を眺める。
ラジアルゲートの色が何ともセクシーだ。
取水塔母屋の色と、中央の予備ゲートの色と絶妙にマッチしている気がるのは私だけだろうか。
ゲートのアップ。
堤体近辺の左岸にある郡山上水取水塔。
丸くておしゃれだ。
天端を眺める。
車両通行止。
路面がブロックになっている。
天端欄干の柱。
何かを意味していると思うが、わからなかった。
天端より減勢工を眺める。
減勢工の様子。
フーチングにまで石垣デザインが採用されている。
左岸より堤体下流面を眺める。
こちら側から見ると、普通のデザイン。
ただし、屋根が三角になっている点がポイントだ。
右岸にあるインクライン。
ここも屋根が三角だ。
下流右岸から堤体を眺める。
非常用洪水吐はラジアルゲートが4門。
常用洪水吐のアップ。
右岸より。
スペック
ダム名 | 三春(みはる)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 大滝根川/阿武隈川水系 |
所在地 | 福島県田村郡三春町大字西方字向山263番地先 |
位置 | 北緯37度24分13秒 東経140度28分29秒 |
着工年/完成年 | 1972年/1997年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/かんがい用水/上水道用水/工業用水 |
堤高 | 65.0m |
堤頂長 | 174.0m |
堤体積 | 195,000立方m |
流域面積 | 226.4平方km |
湛水面積 | 290ha |
総貯水容量 | 42,800,000立方m |
有効貯水容量 | 36,000,000立方m |
ダム湖名 | さくら湖(さくらこ) |
管理 | 国土交通省 |
本体施工者 | 奥村組・大日本土木 |
水位
設計洪水位 | EL 334.0m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 333.0m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 326.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 318.0m |
最低水位 | EL 308.8m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ラジアルゲート | W11.5m×H9.0m×4門 | |
常用洪水吐 | 高圧ラジアルゲート | W3.0m×H3.2m×1門 | |
ジェットフローゲート | 2門 | ||
ホロージェットバルブ | 1条 |
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