(独)水資源機構が管理する、治水機能を持たない多目的ダム。
このダムの水は、かんがい用水・上水道用水・工業用水を目的として、豊川用水にて渥美半島へと運ばれる。
堤体は堤高65mの重力式コンクリートダムで、クレスト部に余水吐としてラジアルゲートが3門、表面取水設備からの放流をおこなうためのハウエルバンガーバルブが2条、小規模な同バルブが1条設置されている。
このダムの特徴は、何といっても、巨大な表面取水設備であろう。
3階建てとのことだが、一般的な建物に換算すると5階建てに相当する。
なぜこの様に巨大なのかというと、洪水調節用ダムとは異なり、水の上層部まで取水するためだという。
利水ダムは、常時満水位が高く設定されており、治水ダムよりも水位が高い傾向にある。
このため、表面取水設備の設置位置は、おのずと高くなるわけである。
天端は日中のみ開放されているので、早朝や夕方の訪問は避けた方がよいだろう。
また、近隣に大島ダムがあるので、こちらの訪問も合わせておすすめしたい。
下流より堤体を眺める。
ほどよく放流中だった。
天端にそびえる表面取水設備の大きさが気になる。
クレストゲートのアップ。
ラジアルゲートが3門設置されている。
天端を眺める。
自動車通行不可。
天端から放流しているラジアルゲートを眺める。
天端より直下を眺める。
右はクレストからの導流部。
中央の建物はバルブの機械室。
天端より下流を眺める。
あの山の先に町がある。
巨大な表面取水設備。
現在リニューアル中。
通常の放流をおこなうバルブ群。
バルブのアップ。
両脇にハウエルバンガーバルブ。
見えないが、中央に小規模ハウエルバンガーバルブ。
減勢工のアップ。
奥が余水吐からのもの。
手前がバルブからのもの。
天端よりダム湖を眺める。
平日にもかかわらず、意外と観光客が多かった。
スペック
ダム名 | 宇連(うれ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 宇連川/豊川水系 |
所在地 | 愛知県新城市川合 |
位置 | 北緯35度00分32秒 東経137度38分55秒 |
着工年/完成年 | 1949年/1958年 |
用途 | かんがい用水/上水道用水/工業用水 |
堤高 | 65.0m |
堤頂長 | 245.9m |
堤体積 | 273,000立方m |
流域面積 | 174.5平方km |
湛水面積 | 123ha |
総貯水容量 | 29,110,000立方m |
有効貯水容量 | 28,420,000立方m |
ダム湖名 | 鳳来湖(ほうらいこ) |
管理 | (独)水資源機構 |
本体施工者 | 西松建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 229.15m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 178.85m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
余水吐 | ラジアルゲート | W5.0m×H5.5m×3門 | |
主放流用バルブ | ハウエルバンガーバルブ | Φ1.35m×2条 | 61.8m3/s |
小放流用バルブ | ハウエルバンガーバルブ | Φ0.4m×1条 | |
表面取水設備 | 多段式ローラーゲート |
アクセス
三遠南信自動車道鳳来峡ICより、国道151号線を北上、東栄方面へ進む。
200mほど走ると、左に分岐する道が現れる。
ここを左折。
鳳来湖という看板が出ているので見落とすことは無いだろう。
300mほど走ると、左に道が分岐する。
ここを右折。
あとはそのまま2.12km進めばよい。
ダムサイトに駐車場があるので、こちらに車を停めて見学すると良いだろう。
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