2009年現在、まだ建設中のダム。
多目的の重力式コンクリートダムで、国土交通省の管轄。
放流施設は、非常用洪水吐および、常用洪水吐ともにゲートレス。
管理しやすい構造だ。
ただし、非常用洪水吐の構造が変わっている。
天端は道路になっており、非常用洪水吐からの放流時は、道路上を越流する仕組みになっている。
通常のダムでは、越流堤の上に橋を架け、道路を造るが、このダムの場合は越流堤が道路なのである。
サーチャージ水位の時にこの道路を渡ると、きっと大迫力だろう。
堤体はいたってシンプルな構造で、遊びや飾り付けが無い。
のっぺりとしたイメージのダムである。
常用洪水吐は2門。
三角のスポイラーが可愛い。
クレスト部にも2つのスポイラーがあるが、通常のダムでは見かけない高さに設置されている。
天端上の橋がないので、そのように感じるのであろうか。
余談だが、このダムの骨材に Dam Web Ring のメンバーの名前が書かれた石が利用されている。
(参考:日本ダム協会・ダム便覧)
そう思うと、とても親しみを感じるダムである。
試験湛水の時にはぜひ訪れてみたい。
下流より堤体を眺める。
まだ建設中。
堤体はほぼ完成していた。
非常用洪水吐は天端越流型。
天端は、通常時は道路となっている。
クレスト部にある三角形のスポイラーが可愛い。
常用洪水吐はゲートレスの自然調節式。
減勢工は二段構えのようだ。
こちらはまだ工事中。
下流の様子。
上流左岸より堤体を眺める。
ダム湖側は垂直になっている。
堤体についた出っ張りは選択取水設備だろうか。
右岸の出っ張りはインクラインだろうか。
中央が窪んだ天端。
通常は道路になっているが、非常用洪水吐の越流部でもある。
スペック
ダム名 | 志津見(しつみ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 神戸川/斐伊川水系 |
所在地 | 島根県飯石郡飯南町角井 |
位置 | 北緯35度10分12秒 東経132度40分48秒 |
着工年/完成年 | 1983年/2011年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/工業用水/発電 |
堤高 | 81.0m |
堤頂長 | 266.0m |
堤体積 | 416,000立方m |
流域面積 | 213.8平方km |
湛水面積 | 230ha |
総貯水容量 | 50,600,000立方m |
有効貯水容量 | 46,600,000立方m |
ダム湖名 | 志津見湖 (しつみこ) |
管理 | 国土交通省 |
本体施工者 | 大林組・青木あすなろ建設・大豊建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 276.2m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 245.7m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 232.3m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | ||
常用洪水吐 | 自然調節式 | 500m3/s |
アクセス
付近に高速道路がないので、三瓶ダムからのアクセス方法を記載させてもらう。
三瓶ダムを右手に眺め、県道56号線を東、出雲方面へ直進。
ちょっとした山道を楽しみながら20.97km走る。
いつの間にか県道281号線と名前を変えているが気にしない。
20.97km走ったところで国道184号線との交差点にさしかかる。
ここを右折。飯南町方面に進む。
あとはそのまま9.61km走ればよい。
左手に志津見ダムが見えてくる。
まだ工事中なので、駐車場が無い。
道が広くなっている部分があるので、そこら辺に車を停めて見学するとよいだろう。
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