中国電力(株)が所有する発電専用ダム。
堤高19.5mの小さな重力式コンクリートダムで、1941年に完成した。
上流にある高暮ダムの逆調整池の役割を果たすとともに、このダムからも最大14.0m3/sの水を取水して君田発電所に運ばれ、9,620kWの電力を生み出している。
放流設備は横長のローラーゲートが4門。
その両脇に自由越流式の洪水吐を備えた造り。
ローラーゲート上部の高さは、ゲートを降ろした状態では自由越流式洪水吐と同じように見える。
このゲートは上部からも株からも放流できる仕組みになっていると思われる。
小ぶりなダムだが、かなりの味わい深さがあるので、近くを通りかかった際は訪問してみることをおすすめする。

下流より堤体を眺める。
小さなダムだがなかなか味がある堤体。

中央に配置されたローラーゲート4門を挟み込むように、両脇には自由越流式の洪水吐を装備している。

堤体左岸側の洪水吐と排砂ゲート。
この排砂ゲートを用い、河川維持放流として0.70~0.91m3/sの水を流している。

天端を眺める。
細い天端だが自由に通行できる。

左岸に設置された発電用の取水口。
君田発電所に運ばれ、最大9,620kWの電力を生み出している。

自由越流式の洪水吐を上部から眺める。
このコケの具合からするに、この洪水吐はあまり使われていない様に思える。

天端より下流を眺める。

ダム湖の様子。

左岸にある管理所。

上流より堤体を眺める。
ゲートピアの色が新しいのはなぜなのか。
スペック
| ダム名 | 沓ヶ原(くつがはら)ダム |
| ダム型式 | 重力式コンクリート |
| 河川名/水系名 | 神野瀬川/江の川水系 |
| 所在地 | 広島県三次市君田町櫃田 |
| 位置 | 北緯34度57分21秒 東経132度48分50秒 |
| 着工年/完成年 | /1941年 |
| 用途 | 発電 |
| 堤高 | 19.5m |
| 堤頂長 | 106.2m |
| 堤体積 | 18,000立方m |
| 流域面積 | 194平方km |
| 湛水面積 | 16ha |
| 総貯水容量 | 750,000立方m |
| 有効貯水容量 | 320,000立方m |
| ダム湖名 | |
| 管理 | 中国電力(株) |
| 本体施工者 | 奥村組 |
水位
| 設計洪水位 | |
| 洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 330.990m |
| 平常時最高水位(常時満水位) | EL 329.000m |
| 洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
| 最低水位 | EL 326.500m |
放流設備
| 用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
|---|---|---|---|
| 洪水吐 | ローラーゲート | 4門 | 975.33m3/s |
| 発電所使用水量 | 君田発電所 | 14.0m3/s |



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