台湾が日本の統治下であった頃に造られたダム。
台湾総督府内務局土木課の土木技手、八田與一により設計された。
このダムにより、150,000ヘクタールの農地を開拓、従来からの悩みだった塩害も防ぐこともできた。
工事の規模は、当時国内最大であった愛知用水工事の2倍以上で、国益をかけたビッグプロジェクトだった。
ダム湖の水は、山一つ隔てた曽文渓から取水し、3.2kmのトンネル導水路を通り導かれている。
このダムの工法は特徴的で、半水締めというセミ・ハイドロリックフィル工法を用いている。
セミ・ハイドロリックフィル工法とは、堤体上流と下流の両式幅末端の部分に土砂を置き、ダム軸上にあるコンクリートコアからポンプを使い、水を土砂に吹きかける。
すると、軽い土や石はコンクリートコアに向かって流れ、重い岩は式幅末端に残る。これを繰り返し、嵩上げする工法の事である。
ちなみに、この工法の採用は、日本人では八田與一が初だった様である。
現在、台湾は日本の統治下ではないが、今でも台湾の人々に愛されているダムらしい。
※写真は全て頂き物です。私はダム本体を見ていないので、写真を見てのコメントとなります。
コアの部分にしかコンクリートを使わない、半水締めというセミ・ハイドロリック工法。
外見はアースダムだ。
長い堤体。堤頂長は1km以上もある。
設計者の八田輿一像。
台湾が日本の統治下であった時に造られたダム。
放流設備(だと思われる)。
バルブのアップ(だと思われる)。
何かのための導水管の付け根(だと思われる)。
上記導水管の先(だと思われる)。
放水路を眺める(だと思われる)。
ゲート機械室か発電所(だと思われる)。
発電機。
日立製らしい。
もしかしたら業務用大型掃除機かも知れない。
スペック
ダム名 | 烏山頭(うさんとう)ダム |
ダム型式 | 半水力式土堰 |
河川名/水系名 | 官田川/曾文川水系 |
所在地 | 台湾 台南県 官田郷 |
位置 | 北緯23度12分20秒 東経120度23分24秒 |
着工年/完成年 | 1920年1月/1930年5月 |
用途 | かんがい用水/上水道用水/発電 |
堤高 | 56.0m |
堤頂長 | 1,237.0m |
堤体積 | 11,020,928立方m |
流域面積 | 60平方km |
湛水面積 | 1,300ha |
総貯水容量 | 154,158,000立方m |
有効貯水容量 | 82,450,000立方m |
ダム湖名 | 珊瑚潭 |
管理 | 台湾総督府 |
本体施工者 | 八田與一と愉快な仲間達 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 60.60m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 58.18m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 26.18m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | 2,190m3/s | |
旧取水設備 | 蝶型閥 | Φ0.2286m×2条 | 144m3/s |
新取水設備 | 蝶型閥 | Φ0.35814m×1条 |
アクセス
日本の各国際空港より、台北行きの飛行機に乗る。
空港に着いたらタクシーに乗り、「チンダオ ウーシャントウシユイクー」という。
いくらかかるか、どれぐらいの時間が必要かわからないがチャレンジして欲しい。
無事を祈る。
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