兵庫県が管理する多目的ダム。
洪水調節と、レクリエーションが目的だが、実際の所は洪水調節が中心。
デザインがとても変わっていて、堤体下流部に階段を持つ。
この階段は散策路の一部になっており、自由に登り降りすることができる。
下流から堤体を眺めると、ダム以外の施設に見えてくるほどだ。
非常用洪水吐は天端側水路形式で、呑口は6門、吐口は2門となっている。
管理者になぜ天端側水路を採用したのか尋ねたが、わからないとの事だった。
私が思うに、下流面に階段を設置したいために、吐口を多数取ることができないためだと考える。デザイン重視のダムなのだ。
常用洪水吐は自由越流式のオリフィス管が1条。
かなり底部に設置されており、ほぼ洪水調節専用ダムだということがうかがえる。
天端は広く、花壇などもある。
また、ダム内に多目的ホールがあり、エレベータや階段からアクセスする事ができる。
このホールは神戸市の施設らしい。
この多目的ホール、まだ使用されたことが無いらしい。
税金のムダと言われる前に、早めに運用して頂きたいものである。
ダムまでのアクセスは、車では不可能で、徒歩のみとなる。
鈴蘭台駅より3kmほどなので、天気の良い日に散歩がてら訪れていただきたい。
下流正面より堤体を眺める。
何となく異様な造り。
堤体下流部には階段が据え付けられている。
階段を降りている人がおわかりだろうか。
非常用洪水吐は自由越流式。
ここからではわからないが、天端側水路の構造を取っている。
常用洪水吐もゲートレス。
水が流れ出ていた。
常用洪水吐から流れた水。
中央にコンジットの穴が見える。
スポイラーがないので、水が跳ね上がってしまっている。
デザインに優れたダムなので、この部分が残念に感じた。
堤体下流部の階段より堤体を眺め上げる。
一見、ダムだとは思えない。
天端より直下を眺める。
階段はこの様になっている。
まさかこれがダムだとは思わないだろう。
減勢工を眺める。
左に見えるのはソーラーパネル。
天端より下流を眺める。
すぐ先に砂防ダムが見える。
そしてその先に神戸電鉄の線路、遠くには神戸港が。
天端を眺める。
右奥に見える建物は管理所。
天端の一部は広場になっており、花壇もある。
さすがレクリエーション目的を持ったダムだ。
エレベータ塔の脇に定礎石がある。
エレベータから降りると多目的ホールがある。
非常口の誘導灯があるので、集客を考えた造り。
左岸より堤体を眺める。
全ての柱は半円形をしている。
最近の流行のデザインだ。
右岸より堤体を眺める。
呑口は6門。
上流より堤体を眺める。
中央の水面あたりに、常用洪水吐のオリフィスゲートが見える。
ダム湖と堤体を眺める。
これが常時満水位。
スペック
ダム名 | 石井(いしい)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 鳥原川/新湊川水系 |
所在地 | 兵庫県神戸市北区山田町下谷上 |
位置 | 北緯34度42分11秒 東経135度08分53秒 |
着工年/完成年 | 1972年/2008年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/レクリエーション |
堤高 | 66.2m |
堤頂長 | 155.0m |
堤体積 | 182,000立方m |
流域面積 | 6.9平方km |
湛水面積 | 11ha |
総貯水容量 | 2,200,000立方m |
有効貯水容量 | 2,000,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 兵庫県 |
本体施工者 | 西松建設・奥村組・錢高組・新井組・寄神建設 |
水位
設計洪水位 | EL 234.600m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 233.200m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 199.200m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 199.200m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | 呑口6門/吐口2門 | |
常用洪水吐 | 放流管 | Φ920mm×1条 | 20m3/s |
アクセス
このダムは自動車では行けないので、電車&徒歩でのアクセスとなる。
神戸電鉄鈴蘭台駅東口より、線路沿いに南下。
車両基地の脇を通り、川沿いに歩く。
3kmほど歩くと、目の前に石井ダムが見えてくる。
トイレはあるが、雨風を防ぐ施設がないので、天候を十分考えて見学した方がよいだろう。
なお下流に立ヶ畑ダムがあるので、こちらの見学も合わせておすすめする。
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