西日本を代表するアーチ式コンクリートダム。
堤高156mで、国内第6位の高さを持つ。
国土交通省管轄の多目的ダムで、洪水調節の他、発電、上水道用水を溜める目的がある。
非常用洪水吐は、ローラーゲートが5門。
通常のローラーゲートとは異なり、放流時はゲートを下げ、ゲートの上を越流させるかたちで放流をおこなう。
常用洪水吐はローラーゲートが4門。
左右に2門ずつ設置されている。
このゲートを間近で見ることができ、造りの重厚さを見ると、かなりの水圧がかかっている雰囲気が伝わってくる。
他、中位標高放流設備としてホロージェットバルブが2条。
かなり高い位置に設置されており、放流時は観客を楽しませるという。
このバルブの隣に人形が設置されており、バルブの大きさを感じ取る事ができる。心憎い気配りだ。
観光的にも優れており、公園、駐車場の整備が行きとどいている。
また、堤体内のエレベータに乗る事ができ、道中の監査廊には岩盤に触れる事ができる設備もある。
他、管理所の3階が資料館になっているので、時間があればぜひ見学してもらいたい。
大変大きなダムなので、見学の際はたっぷりと時間を取った方が良いだろう。
下流右岸より堤体を眺める。
建設から時が経っている割には白い堤体。
下流正面より堤体を眺める。
色々ついている放流設備が見所。
一番上の放流設備は、ローラーゲート式の非常用洪水吐が5門。
ゲートの上を越流させるタイプだ。
その下は、中位標高放流設備のホロージェットバルブ。
けっこう高い位置にあるので、ここからの放流は大迫力。
右のバルブ脇に人が見える。
一番下は常用洪水吐のローラーゲート2門が2組。左右についている。
高い水圧がかかっているため、重厚な造りだ。
間近でゲート群を眺める。
色々ついていて面白い。
しかしまぁ、堤体の色が美しいなぁ。
ダム湖側より堤体を眺める。
こちらは下流面とは異なり、かなり黒ずんでいた。
ゲートのアップ。
メカニカルさを感じる。
一番上のゲートは非常用洪水吐のローラーゲート。
下のゲートは、両端2組が常用洪水吐の予備ゲート。
中央2つが、中位標高放流設備の予備ゲート。
天端を眺める。
平日は自動車での通行可能。
予備ゲートのアップ。
非常用洪水吐のローラーゲートのアップ。
越流型のため、上部にスポイラーがついている。
減勢工を眺める。
減勢工は2段構え。
小さく見えるが、かなり大きな減勢工だった。
天端より下流を眺める。
右にカーブを描いている。
ダム湖を眺める。
制限水位よりも多少少ない貯水量だった。
岩盤に触ることができる。
触った感想は、意外に柔らかい岩盤だと思った。
中位標高放流設備の脇にいた人は、実はこれ。
利水次郎くんという名前。
ちゃんと国土交通省のヘルメットを被っている。
スペック
ダム名 | 温井(ぬくい)ダム |
ダム型式 | アーチ式コンクリート |
河川名/水系名 | 滝山川/太田川水系 |
所在地 | 広島県山県郡安芸太田町大字加計 |
位置 | 北緯34度38分02秒 東経132度17分57秒 |
着工年/完成年 | 1974年/2001年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水/発電 |
堤高 | 156.0m |
堤頂長 | 382.0m |
堤体積 | 810,000立方m |
流域面積 | 253平方km |
湛水面積 | 160ha |
総貯水容量 | 82,000,000立方m |
有効貯水容量 | 79,000,000立方m |
ダム湖名 | 龍姫湖(りゅうきこ) |
管理 | 国土交通省 |
本体施工者 | 鹿島建設・西松建設・五洋建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 381.0m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 360.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 351.0m(6月11日~10月25日) |
最低水位 | EL 289.0m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ローラーゲート | W11.0m×H4.85m×5門 | |
常用洪水吐 | ローラーゲート | W3.94m×2.9m×4門 | |
中位標高放流設備 | ホロージェットバルブ | Φ1.5m×2条 | |
利水放流設備(主) | Φ0.85m×1条 | ||
利水放流設備(補) | Φ0.40m×1条 |
アクセス
中国自動車道戸河内ICより、国道186号線を加計方面へ走る。
6.62km走ると、T字路にさしかかる。
ここを左折。
そしてすぐに右折。国道186号線をトレースする。
あとはそのまま5.15km走ればよい。
右手に温井ダムが見えてくる。
温井ダムへは左折して入るかたちになる。
ダムは右にあるので注意が必要だ。
ダムサイトに駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
ちなみに、土日以外は天端を車で渡れ、管理所前に車を停める事ができるようである。
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