洪水調節とかんがい用水確保という2つの目的を持った多目的ダム。
塩田平土地改良区所有なので、多目的ダムという表現はおかしい感じがあるが、2つ以上の目的を有しているので、多目的ダムということで間違い無いだろう。
堤体はごく普通の草ボウボウのアースダムだが、洪水吐にはお金がかかっている様子がうかがえる。
曲線を描いた自由越流式の洪水吐で、その右側にはスライドゲートが設置されている。 このスライドゲートは後付らしく、これを装備したことにより洪水調節という機能も加わったらしい。
ゲートからの導流部も素晴らしく、アースダムのくせにトンネル式。
ロックフィルダムも顔負けの導流部を隠し持っている。
こんなに素晴らしい放流設備があるのだが、ダム湖はこぢんまりとした小さな貯水池だった。
オーバースペックなような気もするが、備えあれば憂いなしである。
下流より堤体を眺める。
例外なく、草ボウボウのアースダム。
天端を眺める。
自動車での通行可能。
天端より下流を眺める。
草木が生い茂り、下流河川が見あたらない。
天端よりダム湖を眺める。
こぢんまりとした小さな貯水池だった。
右に見える赤いものは取水塔。
右岸より堤体を眺める。
奥の建物は管理所。
その左に自由越流式の洪水吐が見える。
洪水吐のアップ。
湾曲したラインが美しい。
手前のゲートはスライドゲートで、洪水調節をおこなうためのもの。
三次元的ラインが何とも言えなく美しい洪水吐。
ゲートのアップ。
ダム湖の規模から、このサイズで十分なのだろう。
洪水吐の奥にトンネルを隠し持っていた。
ロックフィルダムさながらのトンネルの造りに驚き。
取水塔のアップ。
この手の取水塔はなぜ赤色が多いのだろうか。
ダム湖側より堤体を眺める。
スペック
ダム名 | 沢山池(さわやまいけ)ダム |
ダム型式 | アース |
河川名/水系名 | 産川/信濃川水系 |
所在地 | 長野県上田市沢山 |
位置 | 北緯36度19分41秒 東経138度10分09秒 |
着工年/完成年 | /1936年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/かんがい用水 |
堤高 | 25.5m |
堤頂長 | 87.0m |
堤体積 | 108,000立方m |
流域面積 | 10平方km |
湛水面積 | 12ha |
総貯水容量 | 1,082,000立方m |
有効貯水容量 | 995,000立方m |
ダム湖名 | 沢山池(さわやまいけ) |
管理 | 塩田平土地改良区 |
本体施工者 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | 自由越流式 | 1門 | |
洪水吐 | スライドゲート | 1門 |
アクセス
上田交通別所線、別所温泉駅からのアクセス方法を記載させてもらう。
別所温泉駅より県道177号線を上田市街方面へ進む。
250mほど走ると、県道82号線が右に分岐する。
ここを右折。
県道82号線に入る。
800mほど走ると、道がY字に分岐するので、ここは右手の道へ。
県道82号線から外れる方向になる。
900mほど走ると、左手に舌喰池という池が見えてくる。
見えてから2本目の道を右折。
途中、道は2本に分岐するが、どちらを選択しても1.9kmほどで沢山池に到着する。
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