静岡県が所有する治水専用ダム。
農林水産省の補助事業として施工された。
治水専用という事で通常は水を溜めず、洪水時になって初めて水を溜めだすダムである。
堤体は草ボウボウのロックフィルダムで、リップラップもこだわっているわけでもない、一目で自治体所有のものだとわかる姿になっている。
天端から富士山を望むことができるらしいが、取材日はあいにく天候が悪く、富士山の裾野さえも眺めることはできなかった。
このダム湖へは大倉川の水の他、大倉川の親河川である芝川からの水も導水されている。
芝川には国の名勝である「白糸の滝」があり、この滝の上流に大倉川ダムへの分水路がある。
ということは、「白糸の滝」の水量は、この大倉ダムによってコントロールされているという事であろうか。
ダム的にはあまり特徴はないが、天端から富士山を望めるということや、名勝「白糸の滝」が近隣にあるということで、この地をドライブする際はおすすめのダムである。
左岸より堤体を眺める。
ぶっきら棒なロックフィルダム。
展望台と思われる所より堤体を眺めおろす。
天端は自動車での通行可能。
右奥に自由越流式の洪水吐と管理所が見える。
左岸より下流を眺める。
意外に山深い。
右岸ダム湖側より堤体を眺める。
防災ダムという事で、水位が低い。
ダム湖にある黒い物体は通常放流用の取水塔。意外に大きい。
取水塔のアップ。
右岸に設置されている自由越流式の洪水吐。
洪水吐からの導流部。
天端よりダム湖を眺める。
小さなダム湖。
すぐ上流の河川。
天端から見える。
管理所の裏山には、何やら謎の文字が植え込まれている。
スペック
ダム名 | 大倉川(おおくらがわ)ダム |
ダム型式 | ロックフィル |
河川名/水系名 | 大倉川/富士川水系 |
所在地 | 静岡県富士宮市半野 |
位置 | 北緯35度18分09秒 東経138度34分12秒 |
着工年/完成年 | 1966年/1975年 |
用途 | 洪水調節、農地防災 |
堤高 | 45.0m |
堤頂長 | 152.0m |
堤体積 | 309,000立方m |
流域面積 | 57.6平方km |
湛水面積 | 18ha |
総貯水容量 | 2,220,000立方m |
有効貯水容量 | 2,050,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 静岡県 |
本体施工者 | 鹿島建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 456.0m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 436.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | 1門 | |
常用洪水吐 | ホロージェットバルブ | 2条 |
アクセス
東名自動車道富士ICより、西富士道路を北上、富士宮方面へ走る。
6.6kmほど走ると、自動的に国道139号線に入るので、ここまま直進北上。
11.63kmほど走ると、白糸の滝へ向かう流出路があるので、ここを左折。
白糸の滝を通り越し、1.19kmほど走ると、道は直角に右にカーブする場所にさしかかる。
このカーブから左に分かれる道を左折。
10.4kmほど走ると交差点に差し掛かるので、ここを右折。
400mほど走ると目の前に大倉川ダムが現れる。
天端を渡った場所に駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
コメント