利根川水系の中で第3の貯水容量を誇る、石を積み上げたセンターコア型ロックフィルダム。
ロックフィルダムとしては、全国第3位の高さである。
積み上げられた石を下から見上げると、どこか異国の情緒が漂い、何とも言えない騒然とした気分に浸ることができる。
このダムの水は、奈良俣川の他に、湯ノ小屋川からも導水されている。
ちなみに、湯ノ小屋川の取水堰は、あまり見ることができないラバーゲートで構成されている。
多目的ダムで、洪水調節や上水道用水の他に、発電もしている。
ダム直下に県営の奈良俣発電所があり、最大11m3/sの水量を使い、12,400kWの発電をしている。
ダムサイトにはレストランや資料館があり、ダム好きでなくても楽しめる。
デートで利用しても十分満足できるだろう。
また、資料館受付で手続きをすれば、堤体内見学もできる(現在は休止中)。
映画「ホワイトアウト」の撮影現場を拝むこともできる。
ぜひ一度は訪れて頂きたいダムのひとつである。
石を積み上げたロックフィルダム。
見上げるととても美しい。
上の写真右側に位置する放水路。
勢いよく水が滑り落ちるのだろう。
放水路を見上げる。
写真では高さを感じないが、実は150m程の高さがある。
この左脇に階段があるが、体力がある人のみ利用されたし。
横より堤体を眺める。
手前に洪水吐が見える。
ロックフィルの石が美しい。
天端を眺める。柵代わりの岩が印象的。
天端よりダム湖を眺める。超渇水状態だ。
天端より下流を眺める。
大型ダムであるため、下流の河川もさすがに太い。
堤体中腹より堤体を見上げる。
階段は下っているように見えるが、実は上っている。
左に導流部が見える。
スペック
ダム名 | 奈良俣(ならまた)ダム |
ダム型式 | センターコア型ロックフィル |
河川名/水系名 | 楢俣川/利根川水系 |
所在地 | 群馬県利根郡みなかみ町藤原字洗の沢 |
位置 | 北緯36度52分57秒 東経139度04分46秒 |
着工年/完成年 | 1973年/1990年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/かんがい用水/上水道用水/工業用水/発電 |
堤高 | 158.0m |
堤頂長 | 520.0m |
堤体積 | 13,100,000立方m |
流域面積 | 95.4平方km |
湛水面積 | 200ha |
総貯水容量 | 90,000,000立方m |
有効貯水容量 | 85,000,000立方m |
ダム湖名 | ならまた湖(ならまたこ) |
管理 | (独)水資源機構 |
本体施工者 | 鹿島建設・熊谷組・日本国土開発 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 888.0m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 888.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 881.0m(7月1日~9月30日) |
最低水位 | EL 800.0m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | W22.0m×2門 | 1,056m3/s |
非常用洪水吐 | ローラーゲート | W7.0m×H10.8m×1門 | 709m3/s |
常用洪水吐 | クレスト内蔵型スライドゲート | W1.5m×H1.0m×1門 | 15.5m3/s |
フィクストコーンバルブ | Φ0.90m×1条 | 60m3/s | |
フィクストコーンバルブ | Φ2.10m×1条 | ||
表面取水設備 | 取水盆付傾斜直線多段ローラーゲート | 4.5m×31.5m | |
底部取水ゲート | ローラーゲート | 4.00m×3.433m×1門 | |
発電所使用水量 | 奈良俣発電所(群馬県) | 11.00m3/s |
アクセス
矢木沢ダムに行くには、テプコの資料館の所を左折するが、奈良俣ダムの場合はそのまま県道63号線を直進する。
狸のお宿で有名な湯ノ小屋温泉を通り過ぎ、しばらく行くと奈良俣ダムの美しいロックフィルが現れる。
体力に自身が無い人はダム直下の道に左折し、奈良俣ダムを眺めると良い。
ロックフィルダムは下から見上げると壮絶なものを感じる。
ここで下からのアングルのダム見学を終えたら県道にもどり、さらに奥へと進む。
ほんの数十メートルほどで奈良俣ダム入口の看板を発見する。
その道を左折し、長いトンネルを抜けると目の前に湖が広がる。
そう、ここは奈良俣ダムである。
駐車場に車を止め、ダムの散歩道を歩く。
ここから先はないしょ。
是非体験してもらいたい。
コメント
[…] 2014/5/18 矢木沢ダム・奈良俣ダム点検放流 […]