中国電力(株)所有の発電専用ダム。
堤高67.4mの重力式コンクリートダムで、1939年に完成したオールドダム。
戦前に完成したダムとしては7番目の高さを誇る。
これが理由で、土木学会の「日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2000選」にも選ばれている。
放流設備はクレスト部にラジアルゲートが6門、それ以外の放流設備は見当たらなかった。
山奥にある大きな発電専用ダムだが、天端は解放されており、自由に見学することができる。
中国電力(株)のダムは、結構天端を開放している所が多いので、ダム愛好家にはうれしい限りだ。
このダムからは最大24m3/sの水が取水され、約2.5kmの導水管を通り打梨発電所へ運ばれる。
この発電所にて23,600kWを生み出し、再び太田川本流へ戻される。
立岩ダムは大きなダムなので、近くに行ったらぜひ見学してもらいたいダムのひとつだ。
左岸より堤体を眺める。
どことなく古風さが漂っている。
クレストゲートのアップ。
放流設備はラジアルゲートが6門。
天端を眺める。
発電専用ダムにも関わらず、自由に立ち入ることができる。
天端欄干にある外灯。
作りが古風だ。
天端よりダム湖を眺める。
天端より直下を眺める。
副ダムが無いのは、この時代に多い造り。
天端にあるローラーゲートの巻き上げ機。
右岸にある打梨発電所への取水口。
網場が面白い形だったので撮ってみた。
右岸より堤体を眺める。
天端の立ち上がりと堤体の傾斜の接続部は、なだらかな弧を描いている。
古いダムに多いデザイン。
天端右岸側より直下を眺める。
スペック
ダム名 | 立岩(たていわ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 太田川/太田川水系 |
所在地 | 広島県山県郡安芸太田町 |
位置 | 北緯34度32分40秒 東経132度09分50秒 |
着工年/完成年 | /1939年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 67.4m |
堤頂長 | 179.0m |
堤体積 | 138,000立方m |
流域面積 | 129.6平方km |
湛水面積 | 89ha |
総貯水容量 | 17,200,000立方m |
有効貯水容量 | 15,100,000立方m |
ダム湖名 | 立岩貯水池(たていわちょすいち) |
管理 | 中国電力(株) |
本体施工者 | 鹿島建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ラジアルゲート | 6門 | |
発電所使用水量 | 打梨発電所 | 24m3/s |
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