洪水調節と発電の目的を持った多目的ダム。
東にある佐久間ダムと揚水発電をおこなっており、このダムはその上池にあたる。
このダムの水は、電源開発(株)の新豊根発電所に送られ、最大645m3/sの水を利用して112.5万kWの発電をおこなっている。
堤体は堤高116.5mのアーチ式コンクリートだが、非対称放物線ドーム型という珍しい型式。
この型式は、右岸側と左岸側で異なる曲線を持つことが特徴である。
目をこらしてじっくり堤体を眺めると、その特徴がわかるだろう。
放流設備は、クレスト部に非常用洪水吐としてローラーゲートが2門、コンジット部に小流量放流用設備としてゲートが1門設置されている。
このダムは、距離的には佐久間ダムに近いが、道のりは非常に遠い。
大入川に沿って走っている県道429号線は長期通行止なので、大回りをしなければならないためである。
ここへ訪問の際は、時間に余裕を持って、安全運転を心がけよう。
下流左岸より堤体を眺める。
この苔むし具合がたまらない。
クレスト部には非常用洪水吐としてローラーゲートが2門。
常用洪水吐。
上流より堤体を眺める。
ゲートの左右で湾曲具合が異なっている。
ゲートのアップ。
中央にコンジットゲートの予備ゲートがある。
上流左岸より堤体を眺める。
アーチダムはこの角度がステキ。
天端を眺める。
自動車通行不可。
天端より減勢工を眺める。
副ダムもアーチ型をしている。
天端より下流を眺める。
非常に山深い。
天端よりゲート越しにダム湖を眺める。
奥に見える青い2門のゲートは、発電用の取水口。佐久間ダムにつながっている。
そのゲートのアップ。
ローラーゲートだ。
管理所と、そこからダムへ続く通路。
あの中を歩いてみたい。
右岸に設置されているインクライン。
スペック
ダム名 | 新豊根(しんとよね)ダム |
ダム型式 | アーチ式コンクリート |
河川名/水系名 | 大入川/天竜川水系 |
所在地 | 愛知県北設楽郡豊根村古真立字月代1 |
位置 | 北緯35度07分33秒 東経137度45分38秒 |
着工年/完成年 | 1969年/1972年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/発電 |
堤高 | 116.5m |
堤頂長 | 311.0m |
堤体積 | 348,000立方m |
流域面積 | 136.3平方km |
湛水面積 | 156ha |
総貯水容量 | 53,500,000立方m |
有効貯水容量 | 40,400,000立方m |
ダム湖名 | みどり湖(みどりこ) |
管理 | 電源開発(株)・国土交通省 |
本体施工者 | 熊谷組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 474.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 470.0m(6月1日~10月10日) |
最低水位 | EL 435.0m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ローラーゲート | W13.8m×H8.5m×2門 | 1,668m3/s |
常用洪水吐 | ローラーゲート | W3.8m×H4.19m×1門 | 492m3/s |
アクセス
このダムの揚水発電の下池である佐久間ダムからのアクセスを記載させてもらう。
佐久間ダムを南下し、2.3kmほど走ると、右に分岐する道が現れる。ここを右折。豊根方面という看板があるからわかるはずだ。
そのまま進むと、道は国道473号線に合流する。
国道と合流後、13.45km走ると新橋北という交差点が現れる。ここを右折、県道74号線に入る。
くねくね道を14.66km走ると、県道428号線とのT字路にぶつかる。
ここを右折。
あとはそのまま、川沿いを走る県道428号線に沿って進むだけ。
突き当たりに新豊根ダムがある。
佐久間ダムから新豊根ダムは、直線距離は近いが、ルート的には非常に遠いので、時間に余裕を持った行動計画を練るべし。
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