木曾川の最下流に位置するダム。
関西電力(株)所有の発電専用重力式コンクリートダムで、川幅が広いため横に長い形をしている。
洪水吐は関西電力(株)ブラック色のローラーゲートが19門。
天端にいっぱいに設置されている。
現在は使われていないが、堤体のやや左岸側には船用のインクラインも設置されている。
このダムの両岸には発電所があり、右岸側には美濃川合発電所、左岸側には今渡発電所がある。
両発電所とも関西電力(株)だが、同じダムに全く異なる発電所名がつけられている。
これは珍しい事であろう。
美濃川発電所は最大220.0m3/sの水を利用し23,400kWの電力を、今渡発電所は最大200m3/sの水を利用し20,000kWの電力を生み出している。
土木学会の「日本の近代土木遺産2000選」に選定されているダムらしいが、私はなぜこのダムが土木遺産に選定されているのかわからなかった。
取材日は豪雨だったため、全ゲートから放流していて圧巻だった。
全ゲートとはまではいかないが、このダムはよく放流するらしいので、雨天の際に見学してみてはいかがだろうか。
右岸上流側より堤体を眺める。
19門並ぶローラーゲートが印象的。
ゲートのアップ。
すごい勢いで水を呑みこんでいた。
左岸にある今渡発電所の取水口。
こちらは右岸にある美濃川合発電所の取水口。
右岸下流より堤体を眺める。
全ゲートから放流中。
手前に美濃川合発電所、奥に今渡発電所が見える。
堤体のアップ。
中央やや左岸よりに船用のインクラインが設置されている。
ダム舟筏路というらしい。
悪天候だったので全ゲートから放流中の今渡ダム。
下流正面より堤体を眺める。
下流も大河川だ。
下流左岸より堤体を眺める。
こう見ると堤高が34mもあるように見えないですね。
上流の様子。
洪水のため茶色く濁っていた。
下流の様子。
奥に見える橋は国道248号線。
スペック
ダム名 | 今渡(いまわたり)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 木曾川・飛騨川/木曾川水系 |
所在地 | 岐阜県可児市市川合字西野 |
位置 | 北緯35度26分29秒 東経137度02分43秒 |
着工年/完成年 | 1936年/1939年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 34.3m |
堤頂長 | 308.0m |
堤体積 | 101,000立方m |
流域面積 | 4,632.3平方km |
湛水面積 | 141ha |
総貯水容量 | 9,470,000立方m |
有効貯水容量 | 4,240,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 関西電力(株) |
本体施工者 | 間組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ローラーゲート | 19門 | |
発電所使用水量 | 美濃川合発電所(関西電力) | 220.0m3/s | |
発電所使用水量 | 今渡発電所(関西電力) | 200.0m3/s |
アクセス
東海環状自動車道美濃加茂ICより、国道41号線を犬山市方面へ直進。
3.48km走ると、太田町という交差点にさしかかる。ここを左折して、国道248号線に入る。
2.88km走ると、新太田橋という橋で、木曽川を渡る。
この橋を渡っているときに、左手を眺めてもらいたい。
そう、これが今渡ダムである。
右岸の発電所あたりに、適当に車を停められるので、こちらに車を停め、ささっと見学すると良いだろう。
ただし、住宅街なので、長時間の駐車はご遠慮願いたい。
コメント
[…] 可児市(かにし)で木曽川に出ます。上流には「今渡ダム」があり、更に上流では飛騨川と木曽川が合流しています。 […]