四万川の最上流部に位置するダム。
1999年完成なので、まだ新しいダムである。
最近完成したダムらしく、デザインや設備が非常に優れている。
真っ先に目に付くのが、石積み風のデザイン。西洋風のお城を思わせる様相で、真っ青な湖面にとても栄える。
設備も充実していて、非常用洪水吐は自由越流式4門、常用洪水吐は、制限水位時と通常時用に2種類装備されている。
さらに、選択取水施設をそなえ、そこから取水された水は、直下の発電所を通して下流に流される。
このダムはこれだけではなく、「地域に開かれたダム」の指定を受けている、とても開放的なダムなのである。
各設備に、説明案内の看板が取り付けられているので、マニアならずとも楽しめるダムだ。
事前に申し込めば、監査廊などの見学もできるので、このダムに訪問の際には、管理事務所に連絡を入れて見学した方がよい。
私が今まで見てきたダムの中で、一番お勧めしたいダムである。
下流右岸より堤体を眺める。
石積み風のデザインが素敵だ。
洪水吐設備などのアップ。
非常用洪水吐は自由越流式で4門。
デザインが統一されていておしゃれだ。
天端を眺める。
一方通行らしいが、道路に書いてある「止まれ」の文字を見ると、本当かと疑いたくなる。
天端より直下を眺める。
ダムサイトには公園などもある。
右下のグレーの屋根は発電所。
非常用洪水吐のアップ。
石積み風に真っ青な湖面がマッチしている。
ダム湖より堤体を眺める。
常用洪水吐2門。選択取水施設もある。
一番手前が選択取水施設。
常用洪水吐のゲートも見える。
しかし、水が青いなぁ。
減勢工。
階段式で珍しいデザインだった。
流れているところを見てみたい。
下流より堤体を眺める。
常用洪水吐は、オリフィスゲートのほかに、放流管装備されている。放流管は制限水位の時に、オリフィスは通常期に使用するらしい。
天端よりダム湖を眺めるパノラマ写真。
水の青さがおわかりだろうか。
スペック
ダム名 | 四万川(しまがわ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 四万川/利根川水系 |
所在地 | 群馬県吾妻郡中之条町四万 |
位置 | 北緯36度41分47秒 東経138度46分53秒 |
着工年/完成年 | 1980年/1999年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水/発電 |
堤高 | 89.5m |
堤頂長 | 330.0m |
堤体積 | 516,000立方m |
流域面積 | 28.4平方km |
湛水面積 | 32ha |
総貯水容量 | 9,200,000立方m |
有効貯水容量 | 8,600,000立方m |
ダム湖名 | 奥四万湖(おくしまこ) |
管理 | 群馬県 |
本体施工者 | 大成建設・佐藤工業・間組 |
水位
設計洪水位 | EL 767.600m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 764.000m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 751.500m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 728.500m(7月1日~9月30日) |
最低水位 | EL 714.800m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | クレスト自由越流型式 | H12.5m×B3.6m×4門 | |
常用洪水吐(非洪水期用) | オリフィス | H2.000m×B1.724m×2門 | |
常用洪水吐(洪水期用) | 半管路型放流管 | Φ2,600mm×1条 | |
利水放流設備 | 円形多段式ゲート | ||
発電所使用水量 | 日向見発電所(群馬県) | 2.0m3/s |
アクセス
関越自動車道渋川伊香保ICより、国道17号線を沼田方面へ走る。
4kmほど走ると、道は吾妻川を渡り、国道353号線が分岐する。
ここで進路を変え、国道353号線、草津方面へ走る。
左手に吾妻川を眺め、10kmほど走る。
中之条市街に入ると、国道353号線は右に分岐するような形になる。
看板で言うと、四万温泉方面を選択しながら走れば間違えないだろう。
あとはひたすら突き進むのみである。
やがて四万温泉が現れ、さらに進むと四万川ダムに到着する。
駐車場などもあるので、ここに車をとめて見学すると良いだろう。
また、このダムの手前に中之条ダムがあるので、こちらの見学もあわせておすすめする。
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