大井川に2001年に完成した、まだ新しいダム。
地域に開かれたダムとして指定され、一般のダムよりも開放的な管理をしている。
管理棟の中と、下流の公園に2つの資料館を持ち、じっくりダム見学をすると、2時間あっても足りないくらい見所が多い。
ダム直下は公園になっていて、天気の良い日には、ゆっくりと散歩をしてみたいと思わせるダムである。
また、平日ならば堤体内見学もできるので、一度は訪れてもらいたいダムのひとつである。
このダムの常用洪水吐は6門もあり、1門あたり995m3/sの量が吐ける。
非常用洪水吐の分もあわせると、6,000m3/s以上の放流が可能である。
しかし、これだけの量を放流してしまうと、下流が大洪水になってしまうとのことである。
もちろん、下流の護岸整備が整えば洪水になることはない。
下流の整備が、一刻も早く終わることを願う。
このダムは、とても近代的なデザインで、かつ、機能的である。
外観はゴツゴツしていてスマート感は無いが、中に入ってみると、とても機能的に造られている事に感心する。
内部にはいくつもの大部屋があり、点検整備などが楽に行えるよう工夫されている。
山の中にいきなり現れる。
場違い的な近代的デザインが目を引く。
常用洪水吐を6門、非常用洪水吐を2門を装備する。
右下の放流は、自家発電用の施設からの放流。
常用洪水吐は、995m3/s×6門の放流能力で、
日本最大らしい。(2003.4.24現在)
提体上より下流を見下ろす。
減勢工は2段構造のようだ。
ダム湖には、水を対流させるための噴水が設置されている。
運がいい人は見ることが可能。
提体を見る。
そう高さは感じない。
提体上を眺める。
徒歩でのみ通行可能。
スペック
ダム名 | 長島(ながしま)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 大井川/大井川水系 |
所在地 | 静岡県榛原郡川根本町梅地 |
位置 | 北緯35度09分58秒 東経138度09分19秒 |
着工年/完成年 | 1972年/2001年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/かんがい用水/上水道用水/工業用水 |
堤高 | 109.0m |
堤頂長 | 308.0m |
堤体積 | 861,000立方m |
流域面積 | 534.3平方km |
湛水面積 | 233ha |
総貯水容量 | 78,000,000立方m |
有効貯水容量 | 68,000,000立方m |
ダム湖名 | 接岨湖(せっそこ) |
管理 | 国土交通省 |
本体施工者 | 前田建設工業・清水建設・竹中土木 |
水位
設計洪水位 | EL 480.50m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 480.00m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 470.00m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 453.00m(6月16日~10月15日) |
最低水位 | EL 432.00m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ラジアルゲート | W6.8m×H11.25m×2門 | 800m3/s |
常用洪水吐 | 高圧ラジアルゲート | W5.0m×H6.4m×6門 | 6,000m3/s |
低水放流設備 | ジェットフローゲート | Φ1.50m×1門 | 20m3/s |
水位維持管理用放流設備 | ジェットフローゲート | Φ2.15m×1門 | 60m3/s |
アクセス
東名自動車道静岡ICより、県道を国道1号線方面へ向かう。
1号線を通り過ぎると、国道362号線への道案内があるので、その指示に従う。
市街地を通り過ぎると、長い長いワインディング道路の始まり。1車線~2車線の山道が続く。
低速コーナーや高速コーナー、ヘアピンカーブなどが各所にあり、とても楽しめる道である。
20kmほど走ると、大井川沿いの町「千頭」に入る。
千頭の街中で国道はT字に左折しているが、ここを右折。県道77号線に入る。
ダムのために整備されたと思われる、大変きれいな道を高速で走行すると、やがて道は二又に分かれる。
県道はそのまま寸又峡温泉に向かって続いているが、もう一方の道、畑薙方面に向かって進行する。
やがて、目の前に突然長島ダムの堤体が現れる。
堤体が見える場所のちょっと手前に、「ふれあい館」があるので、ここを見学すべし。
とても親切にダムの説明をしてくれる。
この施設でダムについて勉強をした後、ここの駐車場に車を置き、提体まで散歩するとよいだろう。
提体の前につり橋があり、徒歩で渡ることが出来る。
もちろん、提体上も自由に散歩可能。
このダムの見学にあわせて、更に上流の井川ダム・畑薙第一ダム・畑薙第二ダムの見学もセットでお勧めする。
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