1998年に完成した、まだ新しさが残る、千葉県所有の治水をメインにしたダム。
この規模の河川で洪水が起こるのかという疑問を抱くが、下記の理由があるため、ダムが必要になったとのこと。
自治体が「かずさアカデミアパーク」という、大規模土地開発事業のために山林を開拓した。
山林が無くなると、土地の保水能力が落ちる。
この開発のために失った、土地の保水能力を補うため、このダムを建設したとのこと。
ダムサイトには、駐車場や公園が各所にあり、とても綺麗に整備されている。
堤体は解放されていて、下流側は堤体全体が大きな公園になっている。
芝生に包まれた堤体には、桜などの植物が植えられ、各所にベンチがあり、ここが堤体だとは思えないぐらい。
ちなみに、堤体の斜面を利用して芝滑りなどもできる。
とても広い天端は自動車通行止。天端も公園の一部になっているので当然だろう。
非常用洪水吐は自由越流式。ダム湖の規模の割にはとても大きなものだった。まだ一度も使ったことがないという。
少し離れた場所に、常用洪水吐と低水放流管の呑口があるが、残念ながら間近で見ることができなかった。
暖かい日に、ゆっくりと過ごしたいダムのひとつである。
下流より堤体を眺める。
丘に見えるがれっきとした堤体だ。
手前の河川は矢那川。
上記の位置より少しひいたアングルで。
左に非常用洪水吐からの導流部が見える。
よく見ると、さらに左に、常用洪水吐からの放流管も見える。
非常洪水吐からの導流部。
左の切れ込み部分に常用洪水吐の放流管がある。
ダム湖側より提体を眺める。
全然水が無いが、これが常時満水位。
犬走り部分はそうとう広い。
上流よりダム湖を眺める。
まだ満水になったことがないという。
「かずさアカデミアパーク」より導かれている水路の出口。
直径が6.6mもあるらしい。
天端を眺める。
自動車通行止。
公園の一部なので当たり前か…。
右岸より堤体下流部を眺める。
全体が公園になっている。
堤体の斜面を利用し、芝滑りもできる。
自由越流式の非常用洪水吐。
とても大きなものだったが、最大で280m3/sしか流せないらしい。
奥に見える建物はダム管理事務所。
自由越流式の非常用洪水吐。
建物の大きさと比較して欲しい。
その大きさが分かるだろうか。
非常用洪水吐からの導流部。
常用洪水吐の取水部と、低水放流管の呑口。
よく見えない…残念。
スペック
ダム名 | 矢那川(やながわ)ダム |
ダム型式 | 傾斜遮水壁ゾーン型アース |
河川名/水系名 | 田高川/矢那川水系 |
所在地 | 千葉県木更津市大字矢那字向田高 |
位置 | 北緯35度20分45秒 東経139度59分06秒 |
着工年/完成年 | 1989年/1998年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水 |
堤高 | 29.3m |
堤頂長 | 284.0m |
堤体積 | 600,000立方m |
流域面積 | 11.4平方km |
湛水面積 | 16ha |
総貯水容量 | 1,720,000立方m |
有効貯水容量 | 1,600,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 千葉県 |
本体施工者 | 鹿島建設・フジタ・若築建設 |
本体施工者 |
水位
設計洪水位 | EL 55.700m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 54.200m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 42.000m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 38.000m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | W80.000m | 280m3/s |
常用洪水吐 | オリフィス型自然調節方式 | Φ3.0m×1 | 26.0m3/s |
低水放流管 | バルブ | Φ0.4m×1条 | 0.2m3/s |
アクセス
館山自動車道木更津北ICを出て右折、しばらく走ると、県道33号線との交差点にさしかかる。
この交差点を右折、「かずさアカデミアパーク」方面に進路を取る。
5kmほど走ると、県道23号線が右に分岐する。
この分岐を右折、県道23号線に入る。
300mほど走ると、右手にダム湖が見えてくる。
あとはこのダム湖沿いに走り、駐車場を探すのみ。
色々な場所に駐車場があるので、車を停めるスペースに悩むことはないだろう。
コメント