東京都が所有する上水道用水専用のアースダム。
多摩川から取水し、導水路にて村山上ダムを経由し、このダムに水が導かれている。
近年の調査で、大地震が発生すると決壊の恐れがあることが分かり、2003年から5年間の工期で堤体が補強された。
ダム湖にはレトロな取水塔が2棟そびえており、この取水塔は現地の案内板によると「日本一美しい」らしい。
個人的だが、それ以上に美しいと感じたものは洪水吐からの導流部。
なだらかな斜面に水路が造られ、ここに減勢のためと思われるアーチ状の小ダムが複数連なっている。
このダムの性質上、洪水はほとんど起こらないので、この導流部を使うことは無いだろうが、ぜひ一度は見てみたいものである。
ダムサイトは狭山公園という公園になっており、休日には沢山の人が訪れる。
犬の散歩をしていたり、ジョギングや楽器の練習、アマチュア無線をしている人々を多数見かけた。
想像だが、黒部ダム、宮ヶ瀬ダムに次ぐ来客数ではないだろうか。
アースダムだが、見学コースは充実しており、急ぎ足で見ても40分は見学に要するので注意していただきたい。
天端右岸側の入口。
左右にあるおしゃれなポールは何だと思ったが、どうやや取水塔をイメージしたものらしい。
ちなみに、ここは狭山公園でもある。
右岸にある自称「日本一美しい取水塔」。
手前が第一取水塔、奥が後に造られた第二取水塔。
同じく右岸にある洪水吐。
工事中だったが、スライドゲートが3門あることがわかった。手前のブルーシート部は、もしかすると自由越流式洪水吐か?
自由越流式ではないことを確認(2014/6/13)
導流部をながめる。
このダムの性質上、洪水は起こりづらく、ここを使用することは無いと思われる。
さらにその先の導流部。
連なる石積みのアーチ状の小堰が美しい。
正直、取水塔よりもこちらの方が美しいと思う。
さらにその先の導流部。
微妙に川が流れているのがお分かりだろうか。
天端を眺める。
多くの人でにぎわっていた。
右奥に西武園の観覧車が見える。
右岸より堤体を眺める。
補強されたばかりなので純白が保たれていた。
奥に西武園のジェットコースターが見える。
天端より堤体下流側を眺める。
堤体の上の方は石張り(?)になっている。
また、所々に階段があり、天端と直下を行き来することができる。
天端より下流を眺める。
下流には住宅地が広がる。
中央に黄色い電車(西武鉄道)が見える。
天端よりダム湖を眺める。
奥に村山上ダムが見える。
ダム湖に浮いているカビ臭対策装置。
左岸より堤体を眺める。
奥に日本一美しい取水塔が見える。
堤体下流部にあるスロープより堤体を眺める。
堤体の上部は石張りだ。
さらに下より堤体を眺める。
ここから見ると普通のアースダム。
スペック
ダム名 | 村山下(むらやましも)ダム |
ダム型式 | アース |
河川名/水系名 | 多摩川/多摩川水系 |
所在地 | 東京都東大和市清水 |
位置 | 北緯35度45分48秒 東経139度26分25秒 |
着工年/完成年 | /1927年 |
用途 | 上水道用水 |
堤高 | 32.6m |
堤頂長 | 610.0m |
堤体積 | 1,100,000立方m |
流域面積 | 2平方km |
湛水面積 | 111ha |
総貯水容量 | 12,148,000立方m |
有効貯水容量 | 11,843,000立方m |
ダム湖名 | 多摩湖(たまこ) |
管理 | 東京都 |
本体施工者 | 東京都直営 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 103.411m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 85.411m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | スライドゲート | 3門 |
アクセス
最寄りのインターチェンジは、中央自動車道の国立府中ICだが、このダムに限っては電車での隠せす方法を記載させてもらう。
西武多摩湖線西武遊園地駅で下車すれば天端左岸、手前の、武蔵大和駅で下車すれば天端右岸に行くことができる。
また、すぐ上流に村山上ダム、北に山口ダムがあるので、こちらの見学も合わせておすすめする。
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