東京電力(株)の発電専用のダム。
隣の蛇尾川ダムと塩原発電所にて揚水発電をし、このダムは上池にあたる。
ダムへ続く林道は通行止め。ゲートで固く閉ざされていたが、今回、東京電力(株)さん、日本ダム協会さんの特別な計らいで見学を許可していただいた。
堤体は、アスファルトフェイシングフィルダムという珍しい型式。
堤高は90.5mと、世界最大級の高さを誇るという。
堤体の上流側は、アスファルトにより黒く輝き、下流側はロックフィルの様相をしている。
下流側から見るとロックフィルにしか見えないが、一般的なフィルと傾斜が異なる1:2の勾配となっており、多少傾斜がきついことに気付く。
他、色々あるダムだが、今回はその話題に触れないでおこう。
下流より堤体を眺める。
下流側はまるでロックフィルダムの様。
上流右岸より堤体を眺める。
アスファルトが黒く輝いている。
二本見える白いラインは計測器の保護のためのもの。
ダム湖を眺める。
純揚水発電の上池であるため、流れ込む河川はない。
ダム湖に奥に、謎の白い小屋が多数目撃された。
何かの秘密基地か。
天端より右岸を眺める。
中央の高い方の建物は、発電用取水口のゲート。
その右は管理所。
取水口のゲート。
巨大だった。
天端よりダム湖直下を眺める。
これが計測器保護のための部分。色が違う。
天端より直下を眺める。
まるでロックフィルだが、傾斜勾配が異なる。
左岸に設置されている自由越流式の洪水吐。
90m3/sの流量しか想定していないため、非常に小さなものだった。
よく目にする直線型自由越流式洪水吐だが、高さが低い。
洪水吐からの導流部を眺める。
通常では導流部の溝がきっちり見えるものだが、このダムでは途中が見えず、最後の放流部のみが見える。
これは、勾配がきついためそう見えるのか。
放流部の先は山。
河川は90度左に折れ曲がっている。
前の山が削られそうだが、最大流量90m3/sなので大丈夫らしい。
下流より導流部を眺める。
末端の減勢池。
小さなものだった。
下流右岸より堤体を眺める。
多少傾斜が急か?!
スペック
ダム名 | 八汐(やしお)ダム |
ダム型式 | アスファルトフェイシングフィル |
河川名/水系名 | 鍋有沢川/那珂川水系 |
所在地 | 栃木県那須塩原市百村・那須郡塩原町下塩 |
位置 | 北緯36度59分09秒 東経139度51分11秒 |
着工年/完成年 | 1986年/1992年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 90.5m |
堤頂長 | 263.0m |
堤体積 | 2,109,000立方m |
流域面積 | 2平方km |
湛水面積 | 47ha |
総貯水容量 | 11,900,000立方m |
有効貯水容量 | 7,600,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 東京電力(株) |
本体施工者 | 前田建設工業・大成建設・大林組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 1048.000m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 999.000m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | 自由越流式 | 1門 | 90m3/s |
発電所使用水量 | 塩原発電所(東京電力) | 324.0m3/s |
アクセス
東北自動車道西那須塩原ICが最寄りのインター。
ここから国道400号線を塩原温泉方面へ走る。
6kmほど走ると、県道30号線との交差点にさしかかる。
この交差点を直進するとすぐに、テプコ塩原ランドが左手に現れる。
ここからが要注意。道はすぐに山間部へさしかかる。
テプコ塩原ランドから1.5kmほど走ると、右手に小さな林道の入口が見える。
この林道入口を右折。
すると、すぐにゲートに行く手を阻まれる。
ぐれぐれもゲートを乗り越えて進入しないよう、大人の行動を望む。
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