日本に13基しかない貴重な型式のダム。
中空重力式コンクリートダムという型式で、ダムの中に大きな空洞がある。
施工は非常に難しく、より多くの人件費がかかるが、その分使用するコンクリートの量を節約できる。
コンクリートの価格よりも人件費の方が安かった時代に造られたダムだ。
北海道開発局が管理するダムで、洪水調節の他、かんがい用水、上水道用水の確保と発電を目的としている。
発電は北海道電力の金山発電所にておこなわれ、最大48.4m3/sの水を用いて25,000kWの電力を生み出している。
また、上水道用水は滝川市に運ばれ、約45,000人分の水道を供給している。
外観はいたってシンプル。
クレスト部に3門のローラーゲートを装備し、オリフィス・コンジットゲートは見あたらない。
通常の放流および取水は、右岸に設置されている取水設備からおこなわれているようだ。

下流より堤体を眺める。
放流設備はクレスト部のローラーゲート3門のみと、非常にシンプル。

クレストゲート。

減勢工の様子。
非常に小さな副ダム。

取水塔からの放流設備。

天端を眺める。
自動車での通行可能。
ただし、すれ違いはできないと思われる。

右岸にある取水塔。
日本初の本格的フローティングタイプらしい。

堤体上流部。
中空重力式コンクリートダムの特長であるタコ足が見える。

天端より直下を眺める。

下流を眺める。

インクライン。

天端よりダム湖を眺める。
じつは、国内第9位の湛水面積を誇っている。

ゲートピア。

左岸より堤体を眺める。
スペック
ダム名 | 金山(かなやま)ダム |
ダム型式 | 中空重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 空知川/石狩川水系 |
所在地 | 北海道空知郡南富良野町字金山 |
位置 | 北緯43度07分46秒 東経142度26分35秒 |
着工年/完成年 | 1959年/1967年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/かんがい用水/上水道用水/発電 |
堤高 | 57.3m |
堤頂長 | 288.5m |
堤体積 | 220,000立方m |
流域面積 | 470平方km |
湛水面積 | 920ha |
総貯水容量 | 150,450,000立方m |
有効貯水容量 | 130,420,000立方m |
ダム湖名 | かなやま湖(かなやまこ) |
管理 | 北海道開発局 |
本体施工者 | 鹿島建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 345.00m |
第1期洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 338.50m |
第2期洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 342.00m |
最低水位 | EL 320.00m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ローラーゲート | 3門 |
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