(独)水資源機構所有の多目的ダム。
重力式アーチコンクリートという珍しい型式。
重力式コンクリート型式のドッシリ感と、アーチ式コンクリート型式の曲線美をあわせ持つ。
放流設備は、非常用洪水吐として、クレスト部にローラーゲートが6門、常用洪水吐としてラジアルゲートを4門、利水放流設備としてホロージェットバルブを1条備えている。
常用洪水吐の機械室の位置が特徴的で、堤体から張り出したような造りになっている。
その張り出した機械室と、クレスト部からの導流壁が融合したデザインは、重力式アーチ型式の重厚さをより一層強調させている。
右岸、左岸、下流側、そして上部からと、色々な角度から眺められる見学スポットがあるが、残念な事が一つある。
天端の柵の高さが中途半端なのだ。
この柵が邪魔して、良いアングルの写真を撮る事ができなかった事が悔やまれる。
右岸より堤体を眺める。
重力式アーチらしく、ドッシリとした堤体。
導流壁の造りがより一層その感を引き立てる。
右岸上部より堤体を眺める。
このアングルでは、アーチの美しさが出る。
非常用洪水吐のローラーゲート。
ゲート支柱がごっつくないところがおしゃれ。
これがアーチのラインを美しく見せる秘訣だろうか。
下流よりゲート郡を眺める。
導流壁がいかつい。
これは、この下にゲート機械室があるため。
上写真の下の部分。
ポコッと突き出た4棟のゲート機械室。
その下には、常用洪水吐の吐口がある。
また、一番右のゲート機会室の隣には、ホロージェットバルブが鎮座している。
天端を眺める。
自動車で通行可能。
クレストゲートがローラーゲートだと思わせない造り。
同じく天端を眺める。
ゲート支柱ができるだけコンパクトに造られているのが印象的。
また、下流側(右側)の柵が中途半端な高さである事がわかる。
天端より直下を眺める。
導流壁とゲート機械室が一体になったデザイン。
残念ながら、本日は放流していなかった。
ちなみに、このダムはよく放流するとの事。
天端より下流を眺める。
左岸に見える施設は、関西電力(株)の高山発電所。
最大14.0m3/sの水を使用し、6,000kWの電力を生み出している。
右岸に設置されているインクライン。
結構急角度だと思われる。
天端よりダム湖を眺める。
スペック
ダム名 | 高山(たかやま)ダム |
ダム型式 | 重力式アーチ |
河川名/水系名 | 名張川/淀川水系 |
所在地 | 京都府相楽郡南山城村大字高尾 |
位置 | 北緯34度45分10秒 東経136度00分41秒 |
着工年/完成年 | 1958年/1969年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水/発電 |
堤高 | 67.0m |
堤頂長 | 208.7m |
堤体積 | 214,000立方m |
流域面積 | 615平方km |
湛水面積 | 260ha |
総貯水容量 | 56,800,000立方m |
有効貯水容量 | 49,200,000立方m |
ダム湖名 | 月ヶ瀬湖(つきがせこ) |
管理 | (独)水資源機構 |
本体施工者 | 大成建設・奥村組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 135.000m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 135.000m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 117.000m(6月16日~10月15日) |
最低水位 | EL 104.000m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ローラーゲート | W8.72m×H9.50m×2門 W8.61m×H9.50m×4門 | 3,000m3/s |
常用洪水吐 | 高圧ラジアルゲート | W4.6m×H4.0m×4門 | 1,800m3/s |
利水放流管 | ホロージェットバルブ | Φ1.400m×1条 | 37m3/s |
発電所使用水量 | 高山発電所(関西電力) | 14.0m3/s |
アクセス
京奈和自動車道木津ICより、国道24号線を京都方面へ直進。
3.17kmほど走ると、上狛4丁目という交差点で、国道163号線が右手に分岐するので、ここを右折。
国道163号線に入る。
その後は、木津川沿いに国道163号線を走る。
18.13kmほど走ると、高山ダムの看板が見えてくる。
この看板に従い右折。
大河原大橋にて木津川を渡り、3.96kmほど走ると、左手に高山ダムが見えてくる。
天端脇や管理所脇など、各所に駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
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