奈良県所有の重力式コンクリートダム。
現在、試験湛水中で、常時満水位を多少上回っている程度まで水が溜められていた。(2007年9月30日現在)
このダムの目的は、治水と河川維持用水。制限水位を持たないため、サーチャージ水位と常時満水位の差が10.5mもある。
可動ゲートを持たない、いわゆる坊主ダムで、クレスト部に自由越流式の洪水吐が4門、 オリフィス部に、同じく自由越流式の洪水吐を1門有している。
他、河川に河川維持用水用のバルブが1条あるとの事だが、はっきりとは見て取れなかった。
堤体は、右岸側が少しダム湖側に曲がった構造。
この曲がった構造は、最近施工されたダムに多く見られるのは気のせいだろうか。
ダムサイトはまだ工事中で、全てを見る事ができなかったが、公園などが設置される模様。
ぜひともその完成を見てみたいものだ。
下流より堤体を眺める。
クレスト部に自由越流式の非常用洪水吐が4門。
常用洪水吐も自由越流式で、1門装備されていた。
放流設備のアップ。
減勢工の様子。
減勢工中央にある膨らみが気になった。
右岸より堤体を眺める。
手前がダム湖側に反っているのがおわかりだろうか。
天端を眺める。
自動車での通行不可。
天端が曲がっている。
右岸ダム湖側より堤体を眺める。
まだ新しいので、コンクリートの色が真っ白だ。
放流設備を眺める。
自由越流式の非常用洪水吐が4門。
常用洪水吐のゲートと思われるものも見える。
その奥には、表面取水(?)、選択取水(?)施設も見える。
天端より直下を眺める。
減勢工中央の出っ張りが気になる。
常用洪水吐からの水流を分散させるためのものだろうか。
よく見ると、右側にもちょっとした出っ張りがある。
その出っ張りのアップ。
この中に、河川維持用水用のバルブが仕込まれていると思われる。
減勢工内の水に水流があったため、現在放流中と思われた。
天端より下流を眺める。
減勢工の先は石畳だった。
実は、あの先に、砂防ダムがある。
その先の砂防ダム。
天端よりダム湖を眺める。
現在、常時満水位よりちょっと溜まったぐらいの水位。
左に見える三角屋根の建物は管理所。
小さなダム湖だった。
スペック
ダム名 | 岩井川(いわいがわ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 岩井川/大和川水系 |
所在地 | 奈良県奈良市鹿野園町 |
位置 | 北緯34度39分38秒 東経135度52分11秒 |
着工年/完成年 | 1974年/2008年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水 |
堤高 | 55.0m |
堤頂長 | 181.0m |
堤体積 | 86,000立方m |
流域面積 | 3.3平方km |
湛水面積 | 5ha |
総貯水容量 | 810,000立方m |
有効貯水容量 | 690,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 奈良県 |
本体施工者 | 奥村組・大成建設・戸田建設・大豊建設・森本組 |
水位
設計洪水位 | EL 259.000m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 257.500m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 247.000m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | |
最低水位 | EL 235.500m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | W4.5m×H1.5m×4門 | |
常用洪水吐 | 自然調節式 | W2.0m×H0.8m×1門 | |
低水放流施設 | Φ350m×1条 |
アクセス
西名阪自動車天理ICより、国道169号線を奈良市街方面に向かう。
2.70kmほど走ると、下山町という交差点にさしかかるので、ここを右折。
その後、道なりに500mほどで左に。
3.31kmほど走ると、東紀寺という交差点にさしかかる。
ここを右折、奈良奥山ドライブウェイ方面に向かう。
1.98kmほど走ると、奈良奥山ドライブウェイが左に分岐するが、ここはかまわず直進。
500mほど走ると、右手に岩井川ダムが見えてくる。
私が訪問した時は、まだ建設作業中だったので、駐車場は無かったが、いずれ、管理所の駐車場が解放されると思われる。
ということで、現在の所、なんとか車を停められるスペースを探し、ダム見学をするとよいだろう。
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