電源開発(株)が所有する発電専用ダム。
堤高145m、総貯水容量4.9億立方メートルと、非常に巨大なダムである。
しかし、このダムの上流には、田子倉ダムが霞んで見えてしまうほどのスペックを持つ、堤高157m、総貯水容量6億立方メートルの奥只見ダムがある。
堤体は重力式コンクリートダムで、クレスト部にラジアルゲートが4門装備されている。
天端にはクレーンが設置され、奥只見ダムなど電源開発(株)所有のダムの特徴があらわれている。
ダム直下に設置されている田子倉発電所は、田子倉ダムから最大420m3/sの水を取水し、38.5万kWの電力を生み出している。
奥只見ダムに設置されている奥只見発電所が増強されるまで、一般水力では日本一の最大出力を誇る発電所だった。
また、このダムは観光にも力を入れており、ダムサイトには「ダムの駅」と称する土産屋や飲食店が並ぶ。
夏期には遊覧船も出航し、大勢の観光客を楽しませているようである。
ダム見学入門にふさわしいダムとしておすすめしたい。
下流より堤体を眺める。
下流は発電所の敷地のため立入禁止。
あと20歩踏み入れたいなぁ。
下流左岸側より堤体を眺める。
何となく奥只見ダムを思わせるフォルムである。
ゲート部のアップ。
クレスト部にラジアルゲートが4門。
上流左岸側より堤体を眺める。
奥に洪水吐が4門見える。
水色のクレーンは、ゲートなどを保守するためのもの。
電源開発(株)所有のダムによく見られる。
天端を眺める。
中央より奥は立入禁止。
これも奥只見ダムとそっくりである。
クレーンのアップ。
予備ゲートを降ろす時などに使用する。
左岸に設置されているインクライン。
天端よりダム湖を眺める。
5月初旬というのにまだ雪があんなに積もっていた。
この奥には幻の大鳥ダムがある。
天端より直下を眺める。
すぐ手前に田子倉発電所が見える。
減勢工はすぐ下流にある只見ダムのダム湖となっている。
天端より下流を眺める。
下流は只見ダムのダム湖。
中央に只見ダムが写っているのがお分かりだろうか。
只見ダム湖にかかる橋より堤体を眺める。
コンジット部にも放流設備を持っている模様。
スペック
ダム名 | 田子倉(たごくら)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 只見川/阿賀野川水系 |
所在地 | 福島県南会津郡只見町田子倉 |
位置 | 北緯37度18分38秒 東経139度17分13秒 |
着工年/完成年 | 1953年/1959年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 145.0m |
堤頂長 | 462.0m |
堤体積 | 1,950,000立方m |
流域面積 | 816.3平方km |
湛水面積 | 995ha |
総貯水容量 | 494,000,000立方m |
有効貯水容量 | 370,000,000立方m |
ダム湖名 | 田子倉湖(たごくらこ) |
管理 | 電源開発(株) |
本体施工者 | 前田建設工業 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 510.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 370.0m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ラジアルゲート | 4門 | |
発電所使用水量 | 田子倉発電所(電源開発) | 420.00m3/s |
アクセス
関越自動車道小出ICより、国道291号線を国道17号線方面に向かう。
すぐに国道17号線との交差点にさしかかるので、ここを右折。長岡方面へ向かう。
2.88km走ると、国道252号線との交差点にさしかかる。ここを右折、国道252号線に入る。
あとはひたすら49.73km走り続ければよい。
ただし、とても長い峠道である。運転には十分注意し、後続車に追いつかれたら道をゆずろう。
49.73km走ったところに駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
ちなみに、この国道252号線は冬期通行止めになるので注意して頂きたい。
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