島根県が所有する発電専用ダム。
日本初のアーチ式コンクリートダム。
しかし、着工時期から考えると、宮崎県にある上椎葉ダムの方が1年足らず早い。
竣工はこちらの三成ダムの方が2年ほど早かった。
堤体は、一見すると重力式アーチに見える代物。
それもそのはず、両岸の構造は重力式コンクリートということだ。
重力式コンクリートの部分には、土砂吐ゲートが右岸に1門、左岸に2門取り付けられ、そこから象の鼻のような長い導流部が取り付けられている。
また、アーチの部分には、余水吐であるクレストゲートが8門。
横長のローラーゲートが装備されている。
天端は残念ながら立入禁止。
天端を渡った左岸に、発電用の取水口や、管理所がある。
非常に珍しい形のダムなので、ぜひとも天端を渡ってみたかったが、発電専用で無人ということもあり、その夢はかなわなかった。
このダムから取水された水は、約1.6km下流にある三成発電所に送水され、最大6.0m3/sの水で2,830kWの電力を生み出している。
ダムサイトには駐車場があり、受け入れ態勢も万全の三成ダム。
近隣を訪れた際は、ぜひ見学してほしいダムのひとつである。
右岸より堤体を眺める。
アーチ式コンクリートダムに見えない堤体。
それもそのはず、両岸は重力式コンクリートとのこと。
重力式コンクリート部にある土砂吐の導流部。
象の鼻のようにかっこいい。
アーチ部にある余水吐。
渋めの色がかっこいい。
減勢工を眺める。
副ダムと思われるものはない。
天端は残念ながら立入禁止。
下流の様子。
ダム湖の様子。
国道沿いにあるダムだが、ダム湖はひっそりとしていた。
スペック
ダム名 | 三成(みなり)ダム |
ダム型式 | アーチ式コンクリート |
河川名/水系名 | 斐伊川/斐伊川水系 |
所在地 | 島根県仁多郡奥出雲町三成1393-3 |
位置 | 北緯35度11分24秒 東経133度02分30秒 |
着工年/完成年 | 1950年/1953年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 42.0m |
堤頂長 | 109.7m |
堤体積 | 22,000立方m |
流域面積 | 117.5平方km |
湛水面積 | 32ha |
総貯水容量 | 3,438,000立方m |
有効貯水容量 | 1,138,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 島根県 |
本体施工者 | 森本組 |
水位
設計洪水位 | EL 292.91m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 292.61m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ローラーゲート | W5.1m×H2.1m×8門 | |
土砂吐 | ローラーゲート | W4.7m×H4.4m×3門 | |
発電所使用水量 | 三成発電所 | 6.0m3/s |
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