国土交通省の多目的ダム。
洪水調節と電源開発㈱による発電を目的としている。
堤体は巨大な重力式コンクリートダムで、堤高117.5m、堤頂長450mもある。
九州地方としては大きな部類に入るだろう。
九州の最前線にあり、台風が来るたびに大洪水に見舞われるダムで、常に洪水調節をおこなっているという忙しいダムだ。
私はこのダムを『九州の防人』と勝手に呼んでいる。
このダムは現在、洪水調節容量の増量と、最大放流量を増やす改造をおこなっている最中である。
2006年、鶴田ダムは未曾有の大雨に襲われた。
計画を上回る流入量があり、放流量が追いつかない事態に見舞われそうになった。
これを改善するための改造である。

下流より堤体を眺める。
現在大規模リニューアル工事中。

減勢工を眺める。
左は洪水吐からのもので副ダム式。
右は川内川第一発電所からのもの。

川内川第一発電所。

右岸より堤体を眺める。
あの足場はどうやって固定されているのか気になる。

非常用洪水吐はラジアルゲートが4門。

常用洪水吐はラジアルゲートが3門。

左岸より堤体を眺める。

堤体に黄色い枠が張っているが、ここに新たに放流管を増設する。

天端を眺める。
工事中のため、残念ながら立入禁止。

下流の様子。
右に見えるコンクリートの壁は、2006年の洪水で被害を受けた跡。
スペック
| ダム名 | 鶴田(つるだ)ダム |
| ダム型式 | 重力式コンクリート |
| 河川名/水系名 | 川内川/川内川水系 |
| 所在地 | 鹿児島県薩摩郡さつま町鶴田 |
| 位置 | 北緯31度59分19秒 東経130度29分38秒 |
| 着工年/完成年 | 1959年/1965年 |
| 用途 | 洪水調節、農地防災/発電 |
| 堤高 | 117.5m |
| 堤頂長 | 450.0m |
| 堤体積 | 1,119,000立方m |
| 流域面積 | 805平方km |
| 湛水面積 | 361ha |
| 総貯水容量 | 123,000,000立方m |
| 有効貯水容量 | 98,000,000立方m |
| ダム湖名 | 大鶴湖(おおつるこ) |
| 管理 | 国土交通省 |
| 本体施工者 | 西松建設 |
水位
| 設計洪水位 | EL 131.40m |
| 洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
| 平常時最高水位(常時満水位) | EL 160.00m |
| 洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
| 最低水位 | EL 115.60m |
放流設備
| 用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
|---|---|---|---|
| 非常用洪水吐 | ラジアルゲート | W8.5m×H12.0m×2門 W12.0m×H14.4m×2門 | 4,380m3/s |
| 常用洪水吐 | ラジアルゲート | W4.3m×H5.5m×3門 | 1,510m3/s |
| 常用洪水吐 | ローラーゲート | 3門 | |
| 発電所使用水量 | 川内川第一発電所(電源開発) | 150m3/s |



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