鳥取県が管理する多目的ダム。
洪水調節と、上水道用水の確保を目的としている。
ダム便覧には記載されていないが、ダムカードによると発電の目的も持っている。
上水道用水は、1日最大22,500m3/sの水を米子市に供給している。
発電は、直下にある鳥取県所有の賀祥発電所でおこない、最大0.90m3/sの狩猟で260kWの電気を生み出している。
堤体は堤高46.4mの重力式コンクリートダムで、クレスト部に9門の自由越流式洪水吐を装備している。
そのうち2門は一部が深く切れ込み、より浅い水深から放流できる仕組みになっている。
この部分が常用洪水吐と理解してよいのだろうか。
また、外見からはわからないが、堤体中央にラジアルゲートが1門装備されており主放流設備として使用されている。
そして、驚くことに、堤体左岸側にもスライドゲートが装備されている。
こちらのゲートは制限水位調節ゲートという名称。
なぜこの様な位置につけたのか不思議でならない。

左岸より堤体を眺める。
自由越流式の非常用洪水吐が9門。
よく見ると、左から3番目と4番目のゲートの一部が深く切れ込んでいる。

天端より直下を眺める。
中央の膨らんだ部分にラジアルゲートが格納されている。

減勢工の副ダムの様子。
水が全く無かった。

天端より下流を眺める。
赤い屋根の建物が発電所だと思われる。

天端を眺める。

天端にくっついている謎の塔。
2階部分にも扉がある。

堤体左岸側に装備されているスライドゲートの機械。
むき出しだった。

制限水位調節ゲートのスライドゲート。
なぜこの様な位置にあるのか不思議でならない。

インクライン。

ダム湖の様子。

管理所。
ちょっとだけおしゃれだ。
スペック
| ダム名 | 賀祥(かしょう)ダム |
| ダム型式 | 重力式コンクリート |
| 河川名/水系名 | 法勝寺川/日野川水系 |
| 所在地 | 鳥取県西伯郡南部町大字下中谷 |
| 位置 | 北緯35度18分32秒 東経133度19分46秒 |
| 着工年/完成年 | 1971年/1988年 |
| 用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水 |
| 堤高 | 46.4m |
| 堤頂長 | 174.0m |
| 堤体積 | 87,000立方m |
| 流域面積 | 26平方km |
| 湛水面積 | 64ha |
| 総貯水容量 | 7,450,000立方m |
| 有効貯水容量 | 6,690,000立方m |
| ダム湖名 | 緑水湖(りょくすいこ) |
| 管理 | 鳥取県 |
| 本体施工者 | 佐藤工業・三井建設・美保土建 |
水位
| 設計洪水位 | |
| 洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 121.40m |
| 平常時最高水位(常時満水位) | EL 118.00m |
| 洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 114.60m |
| 最低水位 | EL 101.30m |
放流設備
| 用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
|---|---|---|---|
| 非常用洪水吐 | 自由越流式 | W13.0m×H1.80m×9門 | 565m3/s |
| 常用洪水吐 | 自然調節式 | 2門 | |
| 主放流設備 | ラジアルゲート | W2.5m×H2.4m×1門 | 110m3/s |
| 利水放流管 | ジェットフローゲート | 600mm×1門 | |
| 制限水調節用 | スライドゲート | W3.000m×H1.800m×1門 | |
| 選択取水設備 | 5段 |



コメント