静岡県が所有する多目的ダム。
堤高39.5mの重力式コンクリートダムで、放流設備は、 クレスト部とオリフィス部にそれぞれ自由越流式のものを1門装備しているだけである。
このダムの名称は、水没地にあった「青野大師」から命名されたものである。現在はダムの上流側に移転されており、今でも地元の方々に厚く信仰されている。
貯水池は非常にコンパクトで、ここにダムは不要ではないかと思われがちだが、すぐ下流に下賀茂温泉という観光地があるため、オンシーズンは上水道用水が不足しがちである。
また、1976年、梅雨前線の影響で青野川が氾濫し、下賀茂温泉一帯が洪水にみまわれた。この様な経緯から、青野大師ダムは建設された。
典型的な自治体型のダムなので、このダムはあまり見所がなく、駐車場も不十分なので面白みに欠けるダムである。
温泉地に近いので、もう少し観光地化してみてはいかがかと思う。
下流正面より堤体を眺める。
単純構造の、いわゆる自治体型デザインのダム。
放流設備は、クレスト部に非常用洪水吐として自由越流式のものが1門。
常用洪水吐としてオリフィス部に自由越流式が1門。
上流側より保留設備を眺める。
オリフィスゲートにはスクリーンが設置されている。
右側の塔は何らかの取水設備か。
下流より堤体を眺める。
減勢工からしばらくの区間は石張りになっている。
天端を眺める。
自動車通行止め。
天端の親柱は御影石だった。
どことなく仏教を感じさせる。
天端よりダム湖を眺める。
非常に小さなダム湖だった。
奥に砂防ダムが見える。
天端より直下を眺める。
さらに下流を眺める。
下流は小さな河川だが、下流を水浸しにしてしまった恐ろしい過去を持つ。
右岸上流側より堤体を眺める。
これといって特徴が無い堤体。
左の建物は管理所。
通常は無人。
スペック
ダム名 | 青野大師(あおのだいし)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 鈴野川/青野川水系 |
所在地 | 静岡県賀茂郡南伊豆町青野地先 |
位置 | 北緯34度41分28秒 東経138度50分14秒 |
着工年/完成年 | 1991年/2005年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水 |
堤高 | 39.5m |
堤頂長 | 126.0m |
堤体積 | 43,000立方m |
流域面積 | 1.4平方km |
湛水面積 | 3ha |
総貯水容量 | 295,000立方m |
有効貯水容量 | 240,000立方m |
ダム湖名 | 青野大師湖(あおのだいしこ) |
管理 | 静岡県 |
本体施工者 | 飛島建設・河津建設・長田建設 |
水位
設計洪水位 | EL 172.4m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 170.0m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 163.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 154.5m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | W7.00m×H2.40m×1門 | |
常用洪水吐 | 自由越流式 | W0.95m×H0.90m×1門 | |
利水放流設備 | ジェットフローゲート | Φ0.2m×1条 | |
利水放流設備 | ジェットフローゲート | Φ0.1m×1条 | |
利水放流設備 | 放流管 | Φ0.6m×1条 |
アクセス
近隣に高速道路がないので、伊豆急行伊豆急下田駅からのアクセス方法を記載させてもらう。
伊豆急下田駅より、国道136号線を南伊豆方面へ直進。
そのまま進むと、8.31kmkほどで国道136号線は右に折れる。ここはその通りに右折。
下賀茂の温泉地を抜け、青野川を和あたる橋を2回渡ると、蛇石峠へ向かう道が右手に現れる。
ここを右折。
1.56km走ると、蛇石峠へ向かう道は左手に分岐するので、ここを左折。
3.42kmkほど走ると、右手に青野大師ダムの小さな看板が現れるので、その通りに右折。
この看板は本当に小さいので見落とさない様に注意してもらいたい。
あとは、道沿いにある看板通りに右折左折を繰り返せば、青野大師ダムに到着する。
肝心な場所に駐車場は無いが、天端脇や所々が広くなっているので、こちらに車を停めて見学すると良いだろう。
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