北海道開発局が管理する多目的ダム。
かんがい用水確保の他、発電をおこなっている。
また、ダム便覧には記載されていないが、上水道用水確保の目的も有しているらしい。
堤体は、堤高21.4m、堤頂長280mの重力式コンクリートダムで、洪水吐としてクレスト部に7門のローラーゲートを装備してる。
変わった部分としては、堤体に付帯している発電用取水口の形状。
通常は四角いものだが、このダムに関しては半円形なのである。
発電は、直下にある川端発電所にて、最大30m3/sの水量を用いて4,200kWの発電をおこなっている。
また、かんがい用水と上水道用水は、このダムから道央注水工、由仁幹線、栗山幹線の3つの水道が取水されている。
取水された水は、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、夕張市、栗沢町、南幌町、由仁町、長沼町、栗山町、早来町、追分町の農耕地にかんがい用水として使用され、千歳市、恵庭市、安平町に上水道用水として使用されている。
ダム湖側より堤体を眺める。
まず目が行くのは半円形の発電用取水口だろう。
発電用取水口のアップ。
ここから直下にある川端発電所に運ばれる。
その手前(一番右岸側)に栗山幹線の取水口がある。
栗山幹線はかんがい用水の目的で、最大13.007m3/sの水が取水される。
かんがい面積は3,452.3haだ。
そして、左岸にある一つにまとまった道央注水工、由仁幹線の取水口。
道央注水工はかんがい用水として最大17.484m3/s、上水道用水として0.287m3/sの水を取水。かんがい面積は5,868.5haだ。
一方、由仁幹線はかんがい用水として最大15.841m3/sが取水さて、3,812.1haの農耕地に運ばれる。
ということで、水利使用標識が5つも並べてあった。
真横より堤体を眺める。
赤色の欄干がおしゃれ。
望遠で堤体を眺める。
けっこうコンクリートが傷ついている。
減勢工の副ダムを眺める。
コンパクトだ。
ダム湖の様子。
ダム管理所。
下流より堤体を眺める。
高速道路と電柱がどうしてもアングルに入ってしまう。
スペック
ダム名 | 川端(かわばた)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 夕張川/石狩川水系 |
所在地 | 北海道夕張郡栗山町滝ノ下 |
位置 | 北緯42度54分41秒 東経141度54分58秒 |
着工年/完成年 | 1954年/1962年 |
用途 | かんがい用水/発電 |
堤高 | 21.4m |
堤頂長 | 280.0m |
堤体積 | 52,000立方m |
流域面積 | 780平方km |
湛水面積 | 68ha |
総貯水容量 | 6,479,000立方m |
有効貯水容量 | 1,003,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 北海道開発局 |
本体施工者 | 大成建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 83.300m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 74.800m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ローラーゲート | W10.000m×H5.500m×7門 | |
発電所使用水量 | 川端発電所 | 30.00m3/s |
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