現在改良工事中のアースダム。
1975年に完成した福島県所有のかんがい用水専用ダムで、現在、治水機能を持たせるべく改良工事をおこなっている。
1998年、1986年、そして、1966年に起こった豪雨で下流が浸水被害を受けており、これを解消すべく工事を進めているということろだ。
しかしながら時間軸的におかしいと思ったのは私だけだろうか。
これには、ダムを造る際の補助金の問題や、かんがい用水などの水使用量の変化、そして、もう一つのダム計画があったからだと思われる。
ちなみに、もう一つのダム計画は中止され、こちらの千五沢ダムの機能アップという方向に話が進んだ。
現在、天端は立入禁止。
大型クレーンが所狭しと荷を吊りあげていた。
改良工事は、洪水吐の機能アップがメイン。
ラビリンス型と表現して良いのか分からないが、クマデ型の自由越流式のものが4本装備される。
大変変わった形状なので、完成したらぜひ見に行きたいところだ。

現在、治水機能を持たすべく改造工事中。

下流正面より堤体を眺める。
けっこうしっかりしたアースダム。

よく見ると、右岸側で工事が。

天端は工事中のため立入禁止。

堤体のすぐ右岸に、新規に洪水吐を造っている。
削られた部分が新洪水吐となる。

その部分のアップ。
地層っぽいものが見えてなんか新鮮。

現在の余水吐と新洪水吐の位置関係。

とっても珍しい光景。

導流部。

上流より工事の様子を眺める。
クレーンがある場所が堤体。

右岸にある取水塔。

インクライン。

ダム湖の様子。
スペック
| ダム名 | 千五沢(せんござわ)ダム |
| ダム型式 | アース |
| 河川名/水系名 | 北須川/阿武隈川水系 |
| 所在地 | 福島県石川郡石川町大字湯郷渡 |
| 位置 | 北緯37度11分18秒 東経140度29分06秒 |
| 着工年/完成年 | /1950年 |
| 用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/かんがい用水 |
| 堤高 | 43.0m |
| 堤頂長 | 176.5m |
| 堤体積 | 347,000立方m |
| 流域面積 | 111平方km |
| 湛水面積 | 88ha |
| 総貯水容量 | 13,000,000立方m |
| 有効貯水容量 | 10,800,000立方m |
| ダム湖名 | 母畑湖(ぼばたこ) |
| 管理 | 福島県 |
| 本体施工者 |
水位
| 設計洪水位 | EL 364.50m |
| 洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 362.70m |
| 平常時最高水位(常時満水位) | EL 357.60m |
| 洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
| 最低水位 | EL 347.00m |
放流設備
| 用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
|---|---|---|---|
| 非常用洪水吐 | ラビリンス型自由越流式 | 370m×1門 | 1,690m3/s |
| 常用洪水吐 | W4.6m×H1.5m×3門 | 160m3/s | |
| 水位低下設備 | 改良型ジェットフローゲート | Φ1.650m×1門 | |
| 水位低下設備(予備) | ローラーゲート | W2.21m×H2.21m×1門 |



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