農林水産省が所有する多目的ダム。
かんがい用水の他、上水道用水と発電を目的としている。
かんがい用水は、奈良県の大和平野8,090haおよび、和歌山県の紀伊平野6,390haの田畑に送水されている。
上水道用水は、奈良県営水道に供給されてる。
発電は、直下にある関西電力(株)大迫発電所でおこない、最大15.00m3/sの水量を用いて7,400kWの電力を生み出している。
堤体はアーチ式コンクリート型式。
富山県にある黒部ダムと同様の型式で、右岸には黒部ダム同様のウイングがある。
ウイングを持っている点からすると、このダムは純粋なアーチ式コンクリートダムではなく、重力式コンクリート&アーチ式コンクリート型式のコンバインダムであるとも言えるだろう。

左岸より堤体を眺める。
堤高70.5mとのことだが、それほど高さを感じない。

天端を眺める。
自動車での通行可能。

直下の減勢工である副ダムを眺める。
左側の白い建物が大迫発電所。

天端より下流を眺める。
この先に大滝ダムがある。

右岸より堤体を眺める。
黒部ダムと同じウイングを持っていることがわかる。

ウイング部分を眺める。
左側がアーチ式、右側が重力式だ。

右岸ダム湖側より堤体を眺める。
発電用の取水棟が見える。

余水吐はラジアルゲートが5門。
ゲートの色は赤が栄える。

右岸に設置されているかんがい用水用の取水棟。

奥から、ダムとダム管理所と取水口とインクライン。

ダム湖越しに堤体を眺める。
スペック
ダム名 | 大迫(おおさこ)ダム |
ダム型式 | 不等厚ドーム型アーチ式コンクリート |
河川名/水系名 | 紀の川/紀の川水系 |
所在地 | 奈良県吉野郡川上村大迫 |
位置 | 北緯34度16分26秒 東経136度00分45秒 |
着工年/完成年 | 1954年/1973年 |
用途 | かんがい用水/上水道用水/発電 |
堤高 | 70.5m |
堤頂長 | 222.3m |
堤体積 | 158,000立方m |
流域面積 | 114.8平方km |
湛水面積 | 107ha |
総貯水容量 | 27,750,000立方m |
有効貯水容量 | 26,700,000立方m |
ダム湖名 | 大迫貯水池 (おおさこちょすいち) |
管理 | 農林水産省 |
本体施工者 | 大成建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 398.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 358.00m(右岸) EL 356.00m(左岸) |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
余水吐 | ラジアルゲート | W9.000m×H8.650m×5門 | 2,300m3/s |
発電所使用水量 | 大迫発電所(関西電力) | 15.00m3/s |
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