北海道開発局が所有する多目的ダム。
洪水調節の他、上水道用水の確保、発電をおこなっている。
堤高117.5mの重力式コンクリートダムで、クレスト部に非常用洪水吐としてラジアルゲートが2門、コンジット部に常用洪水吐として高圧ラジアルゲートを1門装備している。
天端は道道1号線となっており、北海道としてはかなり交通量が多いため、天端からの見学はゆっくりとおこなうことができず、多少のストレスを感じる。
堤体直下は公園になっており、資料館もある。
定山渓ダムから取水された水は、上水道用水として札幌市に提供される他、小樽内発電所にて最大10m3/sの水を利用して7,000kWの発電をおこなっている。
私が取材した日は大雨だったため、十分に見学することができなかったが、天気の良い日ならば、じっくり楽しめるダムなので、再度訪問してみたいと思う。

下流正面より堤体を眺める。

クレスト部に非常用洪水吐としてラジアルゲートが2門。

コンジット部の常用洪水吐。
スポイラーが他のダムより尖っている気がする。

減勢工のアップ。

ダム湖より堤体を眺める。

天端を眺める。
天端は道道1号線になっている。

右岸に設置されているインクライン。

天端よりダム湖を眺める。

天端より直下を眺める。
直下は公園になっている。

導流部のアップ。
コンジットゲート吐口のスポイラーが妙にとがっている。

表面取水設備。

天端の歩道に埋め込まれているアート。
「グラビティダム」とは、なんともマニアック。
スペック
ダム名 | 定山渓(じょうざんけい)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 小樽内川/石狩川水系 |
所在地 | 北海道札幌市南区定山渓八区 |
位置 | 北緯42度59分05秒 東経141度09分27秒 |
着工年/完成年 | 1974年/1989年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/上水道用水/発電 |
堤高 | 117.5m |
堤頂長 | 410.0m |
堤体積 | 1,185,000立方m |
流域面積 | 104平方km |
湛水面積 | 230ha |
総貯水容量 | 82,300,000立方m |
有効貯水容量 | 78,600,000立方m |
ダム湖名 | さっぽろ湖(さっぽろこ) |
管理 | 北海道開発局 |
本体施工者 | 大成・地崎・佐藤 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 390.39m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 381.49m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 325.29m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ラジアルゲート | W7.00m×H9.30m×2門 | 532m3/s |
常用洪水吐 | 高圧ラジアルゲート | W2.40m×H3.00m×1門 | 143m3/s |
利水放流設備 | ジェットフローゲート | Φ0.90m×1条 | 9m3/s |
表面取水設備 |
アクセス
札幌市街より国道230号線を定山渓方面へ直進。
定山渓温泉街が近づいた頃、右手に道道1号線が分岐するので、こちらを選択。
2.3kmほど走ると、信号付きの交差点にさしかかる。ここを右折。
800mほど走ると、定山渓ダムの駐車場に到着する。
なお、天端に上がるには、この道を信号の所まで戻り、そこを右折。
そのまま4.8kmほど直進すれば定山渓ダム天端に到着する。
天端は駐車場がないので、ダム管理所などにことわって駐車するとよいだろう。
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