北海道が管理する堤高34mのアースダム。洪水調節の他、かんがい用水の確保を目的としている。
このダムを見て一番最初に出た言葉は「なんだこれは!」
フィルダムのくせに、洪水吐および導流部が重力式風なのだ。
通常のフィルダムの導流部は、堤体の傾斜に沿って、20~25度の角度のものが多い。
しかしこのダムは、重力式コンクリートダムさながら、急角度の導流部になっているのだ。
この様な導流部を持つアースダムは、私は見たことが無い。
非常に変わったものなのだ。
導流部もさることながら、堤体の緑も美しい。
はたまた、上流から堤体を眺めてみると、こちらはまるでロックフィルの様相。 思わずこのダムの諸元を確認してしまう。
一度で、アース・重力式・ロックフィルを楽しめる気分にさせる大椴ダム。
絶対に訪問した方が良いだろう。
下流より堤体を眺める。
緑の美しさに目を奪われがちだが、左の方を見てみると・・・。
まるで重力式コンクリートダムの様な洪水吐&導流部。
フィルダムでこんな急角度なものは見たことがありません。
非常用洪水吐の越流部もウエーブしていてオシャレ。
非常用洪水吐からの導流部にくっついている常用洪水吐。
自由越流式なのか、バルブもしくはゲートがついているのかわかりません。
減勢工。
常用からの方の部分が区切られている。
芸が細かい。
導流部を真横から眺める。
まるで重力式コンクリートダムの様な傾斜角度。
右奥に減勢工の副ダムが見える。
天端より堤体を見下ろす。
芝生が美しい。
天端を眺める。
手前部分は放流設備、奥が堤体となる。
上流部。
こちら側の表情はまるでロックフィルダム。
手前に自由越流式の洪水吐が見える。
洪水吐をよく見ると、一部がへこんでいる。
この部分に常用洪水吐がある。
真上より導流部を眺める。
右の部分は常用洪水吐から流れ落ちる減勢工。
導流部はこんな感じで左に曲がっている。
ロックフィルダムではありません。
上流より堤体を眺める。
このダムは水辺まで近づける。
常用洪水吐の呑口のアップ。
鉄格子のスクリーン部分がそれだ。
自由越流式なのか、なんらかの制御装置があるのかわからなかった。
ダム湖の様子。
先日の大雨の影響で濁っている。
スペック
ダム名 | 大椴(おおとど)ダム |
ダム型式 | アース |
河川名/水系名 | 大椴子川/大椴子川水系 |
所在地 | 北海道留萌郡小平町字大椴 |
位置 | 北緯44度05分27秒 東経141度43分17秒 |
着工年/完成年 | 1983年/2003年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/かんがい用水 |
堤高 | 34.0m |
堤頂長 | 124.0m |
堤体積 | 224,000立方m |
流域面積 | 10.2平方km |
湛水面積 | 17ha |
総貯水容量 | 1,729,000立方m |
有効貯水容量 | 1,379,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 北海道 |
本体施工者 | 北野組・堀口組・堀松建設工業・田中組 |
水位
設計洪水位 | EL 81.01m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 79.50m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 70.72m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 67.90m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | 1門 | |
常用洪水吐 |
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