仙台市の水瓶、釜房ダム。
国土交通省所有の多目的ダムで、上水道のみならず、発電や工業用水も供給するのはもちろんのこと、治水の役割もはたしている。
ゲート類は、クレスト部に非常用洪水吐のラジアルゲートを4門、コンジット部にラジアルゲートを3門備え、その他、低水放流用のバルブを1条装備している。
堤体には、発電所用の取水口も備えている。また、堤体付近には上水道用の取水塔もある。
このダムは、水環境保全の先駆け的ダムであり、ここで完成された技術は、現在、各地のダムに取り入れられている。
取材時間が短かったため、細かなレポートが書けず、写真数も少ないことをご了承願いたい。
下流より堤体を眺める。
真紅のラジアルゲートと、コンジット部分にある笠がおしゃれ。
下流横より堤体を眺める。
草木が茂ってあまり良く見えなかった。
ダム湖より堤体を眺める。
ダム湖のサイズの割には小さな堤体。
ゲート群のアップ。
こちら側から見ると、ゲートの色は青。
左隣には、コンジットゲートの副ゲートが見える。
さらに、その左側には発電用の取水口。
そして、その左には上水道用水の取水口が見える。
奥の建物は管理所。
天端よりダム湖を眺める。
堤体の規模の割には大きなダム湖。
天端を眺める。
自動車での通行可能。
ただし、北行きの一方通行だった。
上水道用の取水塔を眺める。
1日あたり、最大196,100m3の水が取水される。
天端より減勢工を眺める。
2段構えの減勢工。
左側が広くなっている特殊なかたちだ。
スペック
ダム名 | 釜房(かまふさ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 碁石川/名取川水系 |
所在地 | 宮城県柴田郡川崎町大字小野字大平山 |
位置 | 北緯38度12分08秒 東経140度41分51秒 |
着工年/完成年 | 1964年/1970年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水/工業用水/発電 |
堤高 | 45.5m |
堤頂長 | 177.0m |
堤体積 | 100,000立方m |
流域面積 | 195.3平方km |
湛水面積 | 390ha |
総貯水容量 | 45,300,000立方m |
有効貯水容量 | 39,300,000立方m |
ダム湖名 | 釜房湖(かまふさこ) |
管理 | 国土交通省 |
本体施工者 | 佐藤工業 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 150.60m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 149.80m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 143.80m(7月1日~9月30日) |
最低水位 | EL 133.00m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ラジアルゲート | W8.0m×H8.861m×4門 | 1,119m3/s |
常用洪水吐 | ラジアルゲート | W4.5m×H4.424m×3門 | 1,084m3/s |
低水放流設備 | ハウエルバンガーバルブ | Φ1.2m×1条 | 10m3/s |
発電所使用水量 | 釜房発電所(東北電力) | 6.0m3/s |
アクセス
東北自動車道仙台南ICから、国道286号線を山形方面へ走る。
あとはただひたすら11.81km走るだけだ。
やがて右手に釜房ダムが見えてくる。
右折するかたちで天端を渡り、突き当たりを右折。
右側に管理所の駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
コメント
[…] ダムマニア・釜房ダム Tweet […]