新潟県所有のかんがい用水確保におもむきをおいたアースダム。
十日町市の信濃川左岸には、西土地改良区が管理するかんがい用水用のダムが5基(正確にはダム4基と堰1基)あるが、そのうちのひとつ。
堤高は43mと一番高く、このダムは、その5基の親玉だ。
アースダムには考えられないような設備・造りは、中規模のロックフィルダムに匹敵するほど。
全くもって贅沢な造りのダムなのである。
広く取ったダムサイト下流部、長い長い導流部、表面取水設備など、見所は盛りだくさん。
堤体も美しい。
残念なことは、天端や展望台が立入禁止な事。
管理上の都合は分かるが、ぜひとも解放していただきたいものである。
下流より堤体を眺める。
綺麗な堤体。
手前の溝は、洪水吐からの導流部。
ここだけ見ると、北海道にいる気分に浸れる。
導流部の壁面。
手前のコンクリートと、奥のコンクリートの色の違いがお分かりだろうか。
手前の方は、中越地震で壊れてしまったため、新しく設置しなおしたらしい。
長い導流部。
これ、本当にアースダムですか?
美しい堤体。
犬走りもくっきり見える。
例外もあるが、堤体にダム名が書かれているのが西土地改良区管理ダムの特徴。
天端を眺める。
やはりこのダムも、上流部は石のデザインのパネルで飾られていた。
手前に洪水吐からの導流部が見える。
管理所から延びている謎のロープ。
そのロープはどこへ続いているのだろうか。
どうやらここへ繋がっているらしい。
これは、表面取水設備。
水面に出ているのは巨大な浮子。
この浮子の下に取水口があり、呑口の高さをロープで調節するという仕組みだ。
天端と下流。
導流部の造りは、まるでロックフィル仕様。
下流はこんな感じ。
スペック
ダム名 | 川西(かわにし)ダム |
ダム型式 | アース |
河川名/水系名 | 南沢川/信濃川水系 |
所在地 | 新潟県十日町市新町新田 |
位置 | 北緯37度11分47秒 東経138度44分17秒 |
着工年/完成年 | 1972年/1980年 |
用途 | かんがい用水 |
堤高 | 43.0m |
堤頂長 | 170.0m |
堤体積 | 348,000立方m |
流域面積 | 3.3平方km |
湛水面積 | 10ha |
総貯水容量 | 1,215,000立方m |
有効貯水容量 | 1,118,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 新潟県 |
本体施工者 | 福田組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
余水吐 | 自由越流式 | 1門 |
アクセス
関越自動車道六日町ICより、国道253号線を十日町方面へ走る。
八箇峠を越え、十日町市街を越え、信濃川を渡る。
信濃川を渡り、一つ目の信号を右折。県道49号線に入る。
トンネルをくぐり、4.77km走ると、国道252号線との交差点にさしかかる。
ここからが要注意。
国道252号線との交差点より、1.69km先にある交差点を左折するのである。
2つ目の川を渡り終えた所にある交差点である。
左折し、400m走ると、交差点にさしかかる。
左に行けば堤体直下、右に行けば天端に行ける。
なお、駐車場が無いので、迷惑にならないよう、適当な場所に車を停めて見学してもらいたい。
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