新潟県所有のアースダム。
十日町市信濃川左岸には、川西土地改良区が管理するかんがい用水用のダムが5基(正確にはダム4基と堰1基)あるが、そのうちのひとつ。
アースダムだが、とても濃厚な造りで、洪水吐や減勢工などは、まるでロックフィルダムの様。
この造りは、川西かんがい五兄弟共通である。
堤体上流面は、石をかたどったタイルで覆われており、色違いのタイルブロックで「TYOUFUKUJI」と書かれている。
ちなみに、お隣にある松葉沢ダムも同様、ダム名が堤体上流側に記載されている。
天端は立入禁止、洪水吐は中央の一部が低くなった自由越流式、ダムサイトには詳しい案内板が設置されているなど、 川西かんがい五兄弟共通の仕様である。
下流より堤体を眺める。
綺麗に整備されたアースダムだ。
洪水吐・導流部・減勢工が長いのが、川西かんがい五兄弟の特徴だろうか。
左岸より堤体を眺める。
この季節のアースダムは本当に綺麗だ。
天端を眺める。
立入禁止だった。
綺麗なのでぜひ立ち入らせて頂きたいが、安全管理のためには仕方がないのだろうか。
左岸に設置されている自由越流式の洪水吐。
中央部が低くなっているのが特徴的。
これは、川西かんがい五兄弟共通の仕様。
導流部の下流を眺める。
傾斜部の前に段差、傾斜部の末端にコンクリートブロック、さらに奥にコンクリートブロック、その奥に副ダム堤体と、非常に贅沢な造り。
導流部の滑り台が始まる部分。
傾斜部と平面部に段差があるのがお分かりだろうか。
減勢工の副ダム。
コンクリートの汚れを見ると、最近使われた形跡がありますね。
左岸に設置されている取水設備。
アースダムによく見られる斜樋方式。
ダム湖を眺める。
堤体の派手さの割には、小ぶりなダム湖。
右のコンクリートは自由越流式の洪水吐。
上流より堤体を眺める。
石のタイルで覆われており、色違いのタイルで「TYOUFUKUJI」と書かれている。
スペック
ダム名 | 長福寺(ちょうふくじ)ダム |
ダム型式 | アース |
河川名/水系名 | 木島川/信濃川水系 |
所在地 | 新潟県十日町市中屋敷 |
位置 | 北緯37度09分58秒 東経138度43分03秒 |
着工年/完成年 | 1988年/1999年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/かんがい用水 |
堤高 | 27.2m |
堤頂長 | 73.2m |
堤体積 | 60,000立方m |
流域面積 | 1.2平方km |
湛水面積 | 3ha |
総貯水容量 | 193,000立方m |
有効貯水容量 | 181,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 新潟県 |
本体施工者 | 福田組 |
水位
設計洪水位 | EL 262.85m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 261.75m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 259.06m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 253.20m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
常用洪水吐 | 自由越流式 | W22.0m×H1.10m×1門 | 65m3/s |
常用洪水吐 | 自由越流式 | ||
取水設備 | 斜樋方式 | Φ250mm×1条 | 0.111m3/s |
アクセス
関越自動車道六日町ICより、国道253号線を十日町方面へ走る。
八箇峠を越え、十日町市街を越え、信濃川を渡る。
信濃川を渡り、一つ目の信号を右折。県道49号線に入る。
トンネルをくぐり、2.44km走ると、左手に郵便局が見える。
このすぐ手前の交差点を左折。
あとはそのまま1.99km走ればよい。
進路左手に長福寺ダムが見えてくる事だろう。
なお、駐車場が無いので、天端の入口に車を停めて見学する事をおすすめする。
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