沖縄本島北西部に建設中のダム。
2010年6月9日に、試験湛水による満水を迎え、取材日は水位低下中であった。(2010年12月)
上水道用水確保や、洪水調節の治水を目的に持つ多目的ダムで、完成すれば沖縄本島北西部の要のダムとなる。
堤体は「く」の字に折れ曲がった重力式コンクリートダムで、堤高は77.5mと、沖縄県内では大規模なダムに分類される。
沖縄県は、最先端技術が投入されているダムが多いが、このダムも例外ではない。
選択取水設備にベローズ式という方式を用い、建設コストと管理コストを低減しているのである。
ベローズ式とは、ゴムでできた蛇腹を上下に伸縮させて取水標高を変化させる方式。見るからにコストがかからなそうである。
右岸下流側より堤体を眺める。
近年、本州に建設しているダムタイプに似ているかたち。
堤体はこの様に「く」の字に折れ曲がっている。
上流より堤体を眺める。
現在、試験湛水での水位低下中。
非常用洪水吐は自由越流式で3門。
その隣に選択取水設備が見える。
天端を眺める。
選択取水設備。
選択取水設備の方式は、最先端のベローズ式。
現在は蛇腹を折りたたんだ状態だろうか。
天端より下流を眺める。
建物は発電所であろうか。
右岸のフーチング。
その右にあるギザギザした壁は魚道だと思われる。
インクラインと大保脇ダム。
スペック
ダム名 | 大保(たいほ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 大保川/大保川水系 |
所在地 | 沖縄県国頭郡大宜味村字田港地先 |
位置 | 北緯26度39分12秒 東経128度08分46秒 |
着工年/完成年 | 1987年/2010年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水 |
堤高 | 77.5m |
堤頂長 | 363.3m |
堤体積 | 400,000立方m |
流域面積 | 13.3平方km |
湛水面積 | 89ha |
総貯水容量 | 20,050,000立方m |
有効貯水容量 | 19,350,000立方m |
ダム湖名 | ぶながや湖 (ぶながやこ) |
管理 | 内閣府沖縄総合事務局 |
本体施工者 | 大成建設・戸田建設・國場組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 70.6m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 68.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 23.0m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | 3門 | |
選択取水設備 | ベローズ式 |
アクセス
福地ダムの天端を通る道路を右岸方面へ進む。
しばらく走ると道が二手に分かれるので、右の道を選択。
1kmほど走ると、大保ダムの標識が現れるので、その標識通りに進むと大保ダムに到着する。
なお、取材時はまだ建設中だったので、道に変更があるかもしれないのであしからず。
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