滋賀県が所有する多目的ダム。
洪水調節の他、上水道用水や工業用水の確保を目的としている。
堤体は堤高43.5mの、黒色系の石をリップラップに使用したロックフィルダムで、いたって無難な造りだが、このダムはアッと驚くものを別の場所に装備している。
左岸にある洪水吐は自由越流式だが、この形が何とも特徴的。
個人的には便器型洪水吐と呼んでいるが、楕円形の常用洪水吐の中に、四角形の非常用洪水吐を装備しているのである。
文章で書いても分からないと思うので、写真をじっくり見て、その異様さを実感して頂きたい。
私は、この洪水吐に永いこと見とれてしまった。
本当に面白い造りなので、ぜひ一度は見学して頂きたいダムである。
直下より堤体を眺める。
黒系の石で構成されたリップラップ。
所々に見える白いものは雪。
下流より放流設備を眺める。
左右に2系統、中央に1系統ある様に見える。
減勢工を眺める。
減勢工の下流を眺める。
左奥に利水用の放流部がある。
下流より堤体を眺める。
いたって無難な堤体。
天端を眺める。
天端は県道9号線になっている。
天端より堤体を眺める。
雪がちらついている日だったので、ひっそりと静かな雰囲気だった。
青土エコーバレーという施設があり、夏季は多くの人で賑わうという。
左岸にある取水塔。
これが噂の洪水吐。
微妙だが、常用洪水吐から越流していた。
上のコンクリートが非常用洪水吐。
ダム湖側より洪水吐を眺める。
2つの洪水吐の間にも放流設備がある。
洪水吐のアップ。
私は便器に見えて仕方がない。
洪水吐からの導流部。
スペック
ダム名 | 青土(おおづち)ダム |
ダム型式 | ロックフィル |
河川名/水系名 | 野洲川/淀川水系 |
所在地 | 滋賀県甲賀市土山町青土 |
位置 | 北緯34度57分23秒 東経136度18分15秒 |
着工年/完成年 | 1966年/1987年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水/工業用水 |
堤高 | 43.5m |
堤頂長 | 360.0m |
堤体積 | 660,000立方m |
流域面積 | 54.3平方km |
湛水面積 | 62ha |
総貯水容量 | 7,300,000立方m |
有効貯水容量 | 6,600,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 滋賀県 |
本体施工者 | 熊谷組・西松建設・三東工業社 |
水位
設計洪水位 | EL 302.30m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 300.00m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 292.00m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 283.30m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | W62.19m×2門 | |
常用洪水吐 | 自由越流式 | W50.13m×2門 | |
常用洪水吐 | 自由越流式 | W5m×H3m×2門 | |
常用洪水吐 | ラジアルゲート | W5m×H6m×1門 | |
利水用放流設備 | ジェットフローゲート | Φ900mm×2条 |
コメント