日本軽金属(株)が所有する発電専用ダム。
電力会社以外が所有している民間のダムは、日本では珍しい。
このダムより最大12.00m3/sの水が取水され、下流にある角瀬水力発電所に導かれる。
堤体は、歴史の割には白さが眩しいアーチ式コンクリートダム。
1967年完成のわりには、なぜか白い。これは、雪による影響なのだろうか。それとも、メンテナンスで磨いたりしているのだろうか。
洪水吐として、左岸にローラーゲートが2門、オリフィス部にバルブと思われる物を2つ備えている。
なぜ「思われる」という表現を使ったのかというと、吐口と思われる部分が四角いからだ。
丸形ならバルブと分かるが、四角だったので、断定はできなかった。
また、ローラーゲートからの導流部は、スキージャンプ式となっている。
放流時、水が落ちる部分にダムの施設があるので、このままで大丈夫か多少不安を覚える。
ダム湖はひっそりとしていたが、堆砂が激しいようだ。
ダム湖の上流部は多くの土砂で埋まり、成長した芦が生えていた。
上流の河川で大規模な土砂崩れが発生し、現在復旧作業中らしい。
堤体直下は、非常に神秘的だった。
切り立った崖、そして、そびえ立つ堤体は風を遮断し、減勢部にあたる水面には波一つ無かった。
鏡のような水に写りこむ、アーチ式コンクリートの白い堤体。
逆さ富士ならぬ逆さダムは、この世の物とは思えぬ美しさだった。
この場所でバーベキューでもして、ゆっくり過ごせたらどんなに幸せだろうか。
日々の忙しさを忘れさせてくれたダムだった。
下流より堤体を眺める。
V字の崖と堤体に挟まれた減勢池は、風もなく穏やかだった。
その水面に写り込む景色も素晴らしい。
上流より堤体を眺める。
左岸部分にクレスト洪水吐がある。
洪水吐のアップ。
ローラーゲートが2門だった。
左岸より堤体を眺める。
発電専用のダムという事で、ほぼ満水だった。
ダム湖下流部の様子。
浚渫と思われる作業をしていた。
ダム湖上流部の様子。
草が生えている部分もダム湖と思われる。
相当堆砂している模様。
右岸にあったインクライン。
下流より堤体を眺める。
歴史の割には白い堤体。
中央コンジット部にバルブを備えているのだろうか。
バルブと思われる部分のアップ。
四角い・・・。
下流部右岸にあった仮排水トンネル。
塞がれていなかったので、侵入可能。
堤体の左岸側にはクレストゲートが。
導流部はスキージャンプ式だ。
ただ、その直下にダム施設があるので心配。
ゲートのアップ。
スペック
ダム名 | 雨畑(あまはた)ダム |
ダム型式 | アーチ式コンクリート |
河川名/水系名 | 雨畑川/富士川水系 |
所在地 | 山梨県南巨摩郡早川町雨畑 |
位置 | 北緯35度24分31秒 東経138度19分54秒 |
着工年/完成年 | /1967年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 80.5m |
堤頂長 | 147.6m |
堤体積 | 72,000立方m |
流域面積 | 99.7平方km |
湛水面積 | 59ha |
総貯水容量 | 11,000,000立方m |
有効貯水容量 | 11,000,000立方m |
ダム湖名 | 雨畑湖(あまはたこ) |
管理 | 日本軽金属(株) |
本体施工者 | 鹿島建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
余水吐 | ローラーゲート | 2門 | |
発電所使用水量 | 角瀬発電所 | 12.00m3/s |
アクセス
中央自動車道甲府南ICから、国道358号線を甲府市街方面へ走る。
950m走ると、笛南中北という交差点にさしかかるので、ここを直進、国道140号線に入る。
そのまま国道140号線を走り、1つのトラップを越えて笛吹川&釜無川にかかる三郡西橋を渡る。
渡り終えると、国道140号線は左に曲がっているので、その通りに左折。
そしてすぐに、国道52号線との交差点にさしかかる。
この交差点を左折、国道52号線を身延方面へ走る。
約18.7km走ると、上沢という交差点にさしかかる。
ここを右折、県道37号線に入る。
しばらく早川沿いに走ると、11.23km走った所に、雨畑方面への分岐点がある。
ここは雨畑方面へ向けて左折。
約1車線の道路を3km走り、トンネルを抜けると雨畑ダムに到着する。
堤体を通り越して数メートル走った所に、ちょっとした広場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
なお、堤体直下に行くには、トンネルの2本手前にある道を下る。
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