東京電力(株)の発電専用ダム。
白色の岩を使ったロックフィルダムで、この型式のダムの中では第6位の堤高を誇る。(2006年10月12日現在)
本当に白さが眩しいロックフィルダムで、とても美しい。
白いロックフィルダムといえば、群馬県にある奈良俣ダムが代表的だが、このダムも奈良俣ダム同様、純白である。
個人的には、奈良俣ダムの色白クイーンの名を揺さぶるほど美しいと思う。
また、至近距離まで近づける減勢工や導流部も圧倒的な魅力。
天に突き刺さるような、自由越流式洪水吐からの導流部。
水利権の関係で、この導流部には常に水が流れている。
ロックフィルダムの、滑り台式導流部を使った放流はあまり見ることができないが、このダムに関しては当然の様に見ることができるので、これも魅力のひとつであろう。
堤体直下の広場には、水の流れを感じさせるモニュメントがある。
大人が見ても美しく、子供はここで水と戯れることだろう。
こういった演出は、電力会社系のダムには珍しい。
この南相木ダムは、群馬県にある上野ダムと揚水発電をし、ここは上部ダムにあたる。
このダムから取水された水は、神流川水力発電所を通り、上野ダムに溜められる。
神流川水力発電所には、470,000kWの発電機が6基設置される予定で、完成すると最大2,820,000kWの電力を生み出す。
これは、世界最大級の揚水発電所ということらしい。
美しさ、巨大さ、演出。
どれをとっても、かなりおすすめのダムである。
ぜひ一度は訪問してもらいたい。
欲を言えば、資料館と食事処があってほしかった。
なお、このダムの標高は日本一高い1,532mである。
下流より堤体を眺める。
真っ白な堤体が美しい。
ちょっと引いたアングル。
減勢工が間近に見える。
新しいダムなので、コンクリートの色も白い。
減勢工のアップ。
小さくもないが、巨大というほどでもなかった。
減勢工の下流にある水路の出口。
南相木ダムを避けて通ってきた南相木川の水であろう。
洪水吐からの導流部を眺める。
山を切り裂いて造られている。
下から見上げるとこんな感じ。
天からの水路という感じ。
上流部より減勢工を眺める。
軽く左カーブをしている。
下流右岸より堤体を眺める。
白い石が綺麗に敷き詰められている。
天端を眺める。
車両通行止め。
天端よりダム湖を眺める。
ひっそりとしていた。
発電所の取水口。
神流川水力発電所を通り上野ダムに注がれる。
天端より下流を眺める。
中央の渦巻きのようなものは、水をイメージしたモニュメント。
直下は公園になっている。
自由越流式の洪水吐。
思いの外小さなものだった。
導流部より洪水吐を眺める。
コンクリートの色が新しい。
導流部の下流側。
最初に一段落ち、その後、一気に滑り落ちる構造。
ダム湖より堤体を眺める。
水位は満水位より1mほど低かった。
スペック
ダム名 | 南相木(みなみあいき)ダム |
ダム型式 | ロックフィル |
河川名/水系名 | 南相木川/信濃川水系 |
所在地 | 長野県南佐久郡南相木村字南相木山国有林 |
位置 | 北緯36度00分16秒 東経138度39分13秒 |
着工年/完成年 | 1995年/2005年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 136.0m |
堤頂長 | 444.0m |
堤体積 | 7,300,000立方m |
流域面積 | 6.2平方km |
湛水面積 | 59ha |
総貯水容量 | 19,170,000立方m |
有効貯水容量 | 12,670,000立方m |
ダム湖名 | 奥三川湖(おくみかわこ) |
管理 | 東京電力(株) |
本体施工者 | 前田建設工業・大成建設・大林組・青木建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 1527.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 1500.0m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | 自由越流式 | 1門 | |
発電所使用水量 | 神流川発電所 | 85.000m3/s |
アクセス
中央自動車道須玉ICから、国道141号線を清里方面へ走る。
ただひたすら、47.60km走ると、県道2号線との交差点にさしかかる。
ここを右折、県道2号線に進路を取る。
川を渡り、県道2号線通りに右折。
5.27km走った所にもトラップがある。
T字路にさしかかるのだが、県道2号線は、ここは右折するかたちになる。
ここは県道2号線をなぞるように右折。南相木村方面へ進路を取る。
5kmほど走ると左手に南相木村役場が見えてくる。
そしてすぐに、Y字路にさしかかる。
ここは右の道を選ぶ。
県道2号線沿いに走るのだ。
この段階で、南相木ダムの標識が現れているので迷うことはないだろう。
そのY字路から3.03km走ると、交差点にさしかかる。
県道2号線は右折するが、ここは直進。
ここにも南相木ダムの標識があるので迷うことはないだろう。
あとはひたすら直進するのみ。
途中、天端に行く道と、ダム直下へ行く道が分岐するので、お好みに合わせて選べばよい。
天端、直下、両方とも駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
コメント
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