中国電力(株)が所有する発電専用ダム。
堤高69.4mの重力式コンクリートダムで、1944年に完成した。
クレスト部に装備された5門のラジアルゲートと、下部に行くにしたがって絞り込まれる造りをした導流壁が印象的なところ。
このダムで最大20.0m3/sの水が取水され、約3km下流にある神野瀬発電所へと送水されて2万kWの電力を生み出す。
戦前に建設されたダムの中で6番目に堤高が高いとされ、土木学会の「日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2000選」にも選定されている。
訪問日はあいにく工事中で天端に立ち入ることができなかったが、目を凝らして天端の欄干を眺めると半円形の装飾が施されており、戦前に建設されたのダムならではのデザインとなっていた。
また、導流部の末端や支柱にも曲線が多分に使用されており、今どきのダムにはない古風さを醸し出していた。
堤高69.4mの重力式コンクリートダム。
クレスト部の5門のラジアルゲートと、下部に行くにしたがって細くなる導流部が印象的。
右岸より堤体を眺める。
戦前に建設されたダムにもかかわらず、その大きさを感じる。
取材日はゲートの補修作業がおこなわれていた。
その作業のために、残念ながら天端立入禁止。。
非常に残念だ。
天端右岸脇にある慰霊碑。
横から見るとダムの形をしている。
多分、このダムと同じ形なのだと思う。
右岸ダム湖側より堤体を眺める。
天端の上に仮設の橋が見える。
その橋の上にクレーン車が。
発電所へ続く導流部のゲートだと思われる建物。
インクライン。
ダム湖の様子。
ダム湖越しに堤体を眺める。
スペック
ダム名 | 高暮(こうぼ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 神野瀬川/江の川水系 |
所在地 | 広島県庄原市高野町高暮 |
位置 | 北緯34度59分39秒 東経132度47分36秒 |
着工年/完成年 | /1944年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 69.4m |
堤頂長 | 195.7m |
堤体積 | 206,000立方m |
流域面積 | 159.3平方km |
湛水面積 | 185ha |
総貯水容量 | 39,658,000立方m |
有効貯水容量 | 35,858,000立方m |
ダム湖名 | 神之瀬湖(かみのせこ) |
管理 | 中国電力(株) |
本体施工者 | 奥村組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ラジアルゲート | 5門 | |
発電所使用水量 | 神野瀬発電所 | 20.0m3/s |
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