中部電力(株)が所有する発電専用のダム。
揚水発電をおこなっていて、このダムは下部ダムにあたる。
上部ダムは謎に包まれている川浦ダム。
これらのダムの間に、奥美濃発電所を挟み、最大375m3/sの水を用いて、150万kWの電力を生み出している。
堤体はロックフィル型式で、堤体表面にある岩の凸凹が無いよう、綺麗に敷き詰められている。
リップラップ職人のこだわりの様子がうかがえる。
また、揚水発電の下部ダムということで、水位の変動が激しいための現象なのか、 堤体上流部の色は、白から黒への美しいグラデーションとなっている。
さらに上にある川浦ダムも見てみたいが、このダムもかなり美しい堤体なので、一度見学してみる価値はある。

綺麗なロックフィルダム。
リップラップ表面の岩が平面にそろえられている。

天端を眺める。
自動車での通行可能。

リップラップが平面的に綺麗にそろえられている様子がおわかりだろうか。

天端よりダム湖を眺める。
かなり水位が低かった。

奥美濃発電所の放流口兼取水口。
最大375m3/sの水が行き来する。

天端より下流を眺める。
直下の建物は奥美濃発電所の一部。
大部分は地下に存在している。

洪水吐からの導流部を眺める。

天端より導流部を眺める。
洪水吐はラジアルゲートが2門。

反対側はこんな感じ。

いたってシンプルな洪水吐。

右岸より堤体を眺める。
堤体のグラデーションが美しい。
「まるで蛤の配色」と誰かが言っていた。

下流より堤体を眺める。
ゲートは中部電力(株)カラーの赤。

直下より堤体を見上げる。
ちなみにこの場所は発電所内。
スペック
| ダム名 | 上大須(かみおおす)ダム |
| ダム型式 | ロックフィル |
| 河川名/水系名 | 根尾東谷川/木曾川水系 |
| 所在地 | 岐阜県本巣市根尾上大須 |
| 位置 | 北緯35度44分15秒 東経136度39分43秒 |
| 着工年/完成年 | 1976年/1995年 |
| 用途 | 発電 |
| 堤高 | 98.0m |
| 堤頂長 | 294.5m |
| 堤体積 | 3,390,000立方m |
| 流域面積 | 12平方km |
| 湛水面積 | 45ha |
| 総貯水容量 | 14,500,000立方m |
| 有効貯水容量 | 9,000,000立方m |
| ダム湖名 | |
| 管理 | 中部電力(株) |
| 本体施工者 | 熊谷組・大成建設・大豊建設・日本国土開発・奥村組 |
水位
| 設計洪水位 | |
| 洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
| 平常時最高水位(常時満水位) | EL 516m |
| 洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
| 最低水位 | EL 493m |
放流設備
| 用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
|---|---|---|---|
| 洪水吐 | ラジアルゲート | W7.350m×H7.313m×2門 | |
| 発電所使用水量 | 奥美濃発電所 | 375.00m3/s |
アクセス
東海北陸自動車道美濃ICより、県道94号線を岐阜市方面へ走る。
5.5kmほど走ると、国道418号線と合流するかたちになる。
ここはそのまま国道418号線に合流。山県市方面に走る。
あとはひたすら、広くなったり細くなったりする国道418号線を直進。
26kmほど走ると、「NEOキャンピングパーク」の案内板が登場する。
ここはこの「NEOキャンピングパーク」の案内板の通りに右折。トンネルをくぐる。
「NEOキャンピングパーク」を通り越し、しばらく走ると目の前に上大須ダムが見えてくる。
天端左岸側に駐車場があるので、こちらに車をとめて見学するとよいだろう。



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