北海道開発局が管理する多目的ダム。
洪水調節の他、かんがい用水や上水道用水、および工業用水の確保を目的とし、発電もおこなっている。
堤体は堤高58m、堤頂長448mの、どちらかというと横長の重力式コンクリートダムで、放流設備は右岸よりに配備されている。
放流設備はクレスト部に巨大なラジアルーゲートが2門。
コバルトブルーに塗装されたゲートは、左隣にある取水設備の朱色に相まってひときわ美しく見える。
面白いことに、このダムは治水の目的があるにも関わらず、常用洪水吐として使用されることが多いオリフィスゲートが無い。
小規模の放流は、取水設備を通して放流されると思われる。
また、取水設備を通して取水された水は、直下にある岩尾内発電所に運ばれ、最大35m3/sの水量を用いて13,000kWの発電を行っている。
堤体直下は公園になっており、様々な花が植えられている。
しかしながら、堤体を良いアングルで眺めることができないのが残念なところである。
そうは言うものの、岩尾内ダムは巨大なダムなので見どころは豊富だ。
ゆったりとしたスケジュールを組んで見学するとよいだろう。
下流の公園より堤体を眺める。
唯一堤体が美しく見えるアングルだ。
直下には岩尾内発電所が見える。
上流より堤体を眺める。
横長の堤体。
上流右岸側より堤体を眺める。
朱色の取水塔とコバルトブルーのラジアルゲートの配色が美しい。
ラジアルゲートのアップ。
巨大なものだ。
ゲート越しに直下を眺める。
天端より下流を眺める。
右の水路は洪水吐からのもの。
左の水路は取水設備・発電所経由のもの。
天端を眺める。
自動車での通行可能。
インクライン。
ダムの規模にしては小さなものだった。
右岸真横より堤体を眺める。
遠近法の関係か、ゲートが中央に見えるが、本当はだいぶ手前寄りに設置されている。
ゲートのアップ。
ダム直下の様子。
ダム湖の様子。
豪雨による影響で濁っている。
スペック
ダム名 | 岩尾内(いわおない)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 天塩川/天塩川水系 |
所在地 | 北海道士別市朝日町岩尾内 |
位置 | 北緯44度06分55秒 東経142度42分26秒 |
着工年/完成年 | 1963年/1970年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/かんがい用水/上水道用水/工業用水/発電 |
堤高 | 58.0m |
堤頂長 | 448.0m |
堤体積 | 394,000立方m |
流域面積 | 331.4平方km |
湛水面積 | 510ha |
総貯水容量 | 107,700,000立方m |
有効貯水容量 | 96,300,000立方m |
ダム湖名 | 岩尾内湖 (いわおないこ) |
管理 | 北海道開発局 |
本体施工者 | 熊谷組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 320.50m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 318.40m(6月15日~30日・10月1日~31日) |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 309.20m(7月1日~9月30日) |
最低水位 | EL 289.40m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ラジアルゲート | W7.000m×H14.100m×2門 |
コメント
2020年10月末に幌向ダムに訪問したところ、ダムの水が抜かれて底が見える状態でした。
写真と動画を撮ってます。
なかなか見れない光景で興奮しました。