北海道開発局が所有する多目的ダム。洪水調節の他、かんがい用水や上水道用水、発電をおこなっている。
洪水調節という目的を持つダムだが、河川の水量は少なく、他の河川から導流している実態にある。
堤体は古風な重力式コンクリートダムで、クレスト部に非常用洪水吐としてローラーゲートが3門装備されている。
北海道のダムらしく、コンクリートが凍害にやられている様子が痛々しい。
また、左岸にバルブを隠し持っており、少量の放流はここからおこなっている模様。
発電に関しては、電源開発の桂沢発電所に送水され、最大23.5m3/sの水量を用いて、1.5万kWの発電をおこなっている。
じつはこのダム、嵩上げ工事が進んでいる。
嵩上げ工事終了後は、「新桂沢ダム」という名称になり、堤高75.5m、堤頂長406.5mのダムとなる。
堤高は約12m、堤頂長は約72mの増加となり、総貯水容量は1.47億m3と、現在の約1.5倍の水量となる。
現在の姿を見ることができるのは、あとわずかな期間なので、早めの訪問をおすすめする。
下流左岸側より堤体を眺める。
飾りのないオーソドックスな堤体。
クレスト部には非常用洪水吐としてローラーゲートが3門。
天端を眺める。
徒歩でのみ通行可能。
左岸に設置されている放流設備。
何かのバルブだろう。
天端より直下を眺める。
飾りのない減勢工が妙にかっこいい。
天端より下流を眺める。
中央に見える白い建物は、新選択取水設備からの放流設備か。
堤体に設置されている表面取水設備。
まるでプレハブ小屋だ。
ローラーゲートのゲートピア。
新選択取水設備。
嵩上げ後に使用される見様。
新選択取水設備からの放流部と思われる建物。
右岸より堤体を眺める。
堤体と新選択取水設備の位置関係がおわかりだろうか。
ダム湖の様子。
あまり水が貯まらないダム湖らしい。
右岸より堤体を眺める。
スペック
ダム名 | 桂沢(かつらざわ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 幾春別川/石狩川水系 |
所在地 | 北海道三笠市桂沢 |
位置 | 北緯43度14分23秒 東経142度00分09秒 |
着工年/完成年 | 1947年/1957年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/かんがい用水/上水道用水/発電 |
堤高 | 63.6m |
堤頂長 | 334.3m |
堤体積 | 350,000立方m |
流域面積 | 298.7平方km |
湛水面積 | 499ha |
総貯水容量 | 92,700,000立方m |
有効貯水容量 | 81,800,000立方m |
ダム湖名 | 桂沢湖(かつらざわこ) |
管理 | 北海道開発局・電源開発(株) |
本体施工者 | 鹿島建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 187.00m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 184.75m |
最低水位 | EL 158.00m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ローラーゲート | 3門 |
コメント
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