北海道開発局が所有する多目的ダム。
治水の他、かんがい用水や上水道用水の確保、そして、発電を目的としている。
堤高50m、堤頂長445mの横長の重力式コンクリートダムで、北海道にありがちな形をしている。
このダムの特徴は、何といっても、横幅を生かした贅沢な放流設備であろう。
非常用洪水吐と常用洪水吐は、通常のダムでは上下に重なり合って配置されているものだが、このダムは長い堤頂長を生かし、それぞれ異なった場所に配置されているのである。
しかも、減勢工も常用用と非常用用で別々である。何とも贅沢な造りだ。
ダム管理所は開放されており、硝子越しにダム管理室を覗くことができる。
美しいダムなので、一度は訪問するべきであろう。
下流より堤体を眺める。
これでも堤体の半分ほどしか写っていない。
放流設備は左岸寄りに設置されている。
自由越流式の非常用洪水吐は2門。
その隣にある6門の常用洪水吐。
デザイン的にもっと多く見える。
下流より放流設備を眺める。
常用と非常用で減勢工も別々だ。
副ダムの高さは、常用と非常用で異なる。
天端を眺める。
自動車での通行可能。
天端より下流を眺める。
よくもまぁ、こんな場所に造ったなと思う。(山が迫った土地ではないと言う意味)。
選択取水設備。
上流より堤体を眺める。
常用洪水吐の予備ゲートの配置がメカニカルだ。
奥に選択取水設備が見える。
左岸、管理所の脇にあるインクライン。
天端よりダム湖を眺める。
細長いダム湖。
ダム湖側より望遠で堤体を眺める。
制御室は、硝子張りで覗くことができる。
スペック
ダム名 | 滝里(たきさと)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 空知川/石狩川水系 |
所在地 | 北海道芦別市滝里町 |
位置 | 北緯43度26分37秒 東経142度17分17秒 |
着工年/完成年 | 1979年/1999年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/かんがい用水/上水道用水/発電 |
堤高 | 50.0m |
堤頂長 | 445.0m |
堤体積 | 455,000立方m |
流域面積 | 1,662平方km |
湛水面積 | 680ha |
総貯水容量 | 108,000,000立方m |
有効貯水容量 | 85,000,000立方m |
ダム湖名 | 滝里湖(たきさとこ) |
管理 | 北海道開発局 |
本体施工者 | 青木・岩田・中山 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 159.50m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 150.90m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 142.40m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | W22.0m×H9.5m×2門 | |
常用洪水吐 | W5.8m×H4.1m×5門 | ||
利水放流設備 | Φ2.6m×1条 |
アクセス
道央自動車道滝川ICより、国道38号線を富良野方面へ進む。
途中、トラップもあるが、野花南の町を通り過ぎ、空知川と共に36.5km走ると、右手に滝里ダム管理所へと続く道があらわれる。
看板が出ているので迷うことはないだろう。
あとはそのまま3kmほど進めばよい。
天端を渡ったところに駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
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