小樽市の上水道を1914年から支えてきたダム。
奥沢水源地という名で親しまれ、観光名所にもなっているダムだ。
堤高28.2mのありふれたアースダムだが、余水吐からの導流部が面白い形をしている。
導流部は階段状になっており、ここを流れる水はいくつもの小さな滝を造り上げる。
この様子が大変美しく、時を忘れてしばらく眺めてしまうほどだ。
2011年、このダムに陥没ヶ所が見つかった。
修復をするにも費用と時間がかかり、また、他にもこのダムに替わる水源が確保されていることから、残念ながらこのダムの使用を中止することとなった。
現在は「奥沢水源地 保存・活用検討委員会」が設置され、歴史的遺産としての保存の取り組みが成されている。
大変美しい導流部なので、小樽に訪問の際には、ぜひ見学して頂きたい。
このような事情を持っているので、早めの訪問をおすすめする。

まずはこの写真から。
大変美しい余水吐からの導流部。

もちろん、土木学会の土木遺産にも指定されている。

遠くから堤体を眺める。
堤体の左岸側はVの字に切り込まれ、貯水機能はもう無い。
この写真は、多分堤体の右岸側。

同じく、遠くから取水塔を眺める。
古風な取水塔だ。現在はもう使用されていない。

余水吐からの導流部を上から眺める。

堤体下流部。
手前の水路は階段状の導流部からのもの。
右から合流している水路は切り取られた堤体からの水路。

堤体からの水路のアップ。
スペック
ダム名 | 奥沢(おくさわ)ダム |
ダム型式 | アース |
河川名/水系名 | 勝納川/勝納川水系 |
所在地 | 北海道小樽市天神2丁目 |
位置 | 北緯43度09分23秒 東経140度58分49秒 |
着工年/完成年 | /1914年 |
用途 | 上水道用水 |
堤高 | 28.2m |
堤頂長 | 234.5m |
堤体積 | 154,000立方m |
流域面積 | 32.1平方km |
湛水面積 | 6ha |
総貯水容量 | 470,000立方m |
有効貯水容量 | 437,000立方m |
ダム湖名 | 奥沢水源池(おくさわすいげんち) |
管理 | 小樽市 |
本体施工者 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
余水吐 | 自由越流式 | 1門 |
コメント
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