北海道が管理する多目的ダム。
堤体はここ最近登場した新しい型式である「台形CSG」型式。
この型式は、通常では使えない骨材を用いて建設できる点がすぐれている。
ちなみに、この当別ダムは、国内(=世界初ということになる)で初めて着工された台形CSG型式である。
このダムの目的は、洪水調節の他、かんがい用水と上水道用水の確保。
かんがい用水は、最大13.386m3/sの水が当別地区の農耕地3,194haに供給されている。
また、上水道用水は、最大0.431m3/sの水が取水され、札幌市、小樽市(石狩湾新港地区)、石狩市、当別町に供給されている。
洪水吐は、常用洪水吐、非常用洪水吐とも自由越流式となっていて、見学時、ラッキーなことに、常用洪水吐から越流していた。
下流より堤体を眺める。
左側に自由越流式の非常用洪水吐が6門、右側に自由越流式の常用洪水吐が5門並ぶ。
常用洪水吐から越流中。
台形CSG特有のコンクリートブロックの継ぎ目で水流が乱れ、美しさが引き立てられている。
非常用洪水吐のアップ。
よく見ると、減勢工が草むら?
右岸より堤体を眺める。
台形CSG型式は、重力式コンクリート型式に比べ、堤体の傾斜が緩い。
天端を眺める。
天端より常用洪水吐の減勢工を眺める。
同じく天端より、非常用洪水吐側の減勢工(?)を眺める。
単なる草むらでビックリ。
斜樋だと思われる取水設備。
この写真から、堤体の傾斜の緩さがわかるだろう。
ダム湖側右岸より堤体を眺める。
手前から、上水道用水用取水設備、非常用洪水吐、常用洪水吐、かんがい用水と河川維持用水用取水設備と並んでいる。
ダム管理所。
天端よりダム湖を眺める。
スペック
ダム名 | 当別(とうべつ)ダム |
ダム型式 | 台形CSG |
河川名/水系名 | 当別川/石狩川水系 |
所在地 | 北海道石狩郡当別町字青山十万坪 |
位置 | 北緯43度19分24秒 東経141度34分22秒 |
着工年/完成年 | 1980年/2012年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/かんがい用水/上水道用水 |
堤高 | 52.0m |
堤頂長 | 432.0m |
堤体積 | 813,000立方m |
流域面積 | 231.1平方km |
湛水面積 | 580ha |
総貯水容量 | 74,500,000立方m |
有効貯水容量 | 66,500,000立方m |
ダム湖名 | 当別ふくろう湖(とうべつふくろうこ) |
管理 | 北海道 |
本体施工者 | 鹿島建設・竹中土木・岩倉建設 |
水位
設計洪水位 | EL 62.600m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 60.700m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 57.200m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 43.500m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | 6門 | |
常用洪水吐 | 自然調節式 | 5門 | |
水道取水設備 | 斜樋 | W1.1m×H1.1m×4門 |
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