電源開発(株)が管理する発電専用ダム。
すぐ上流にある九頭竜ダムと揚水発電をしており、このダムは下池にあたる。
九頭竜ダムの直下、鷲ダムのバックウォーターの場所にある長野発電所にて、最大266m3/sの水量を用いて22万kWの電力を生み出している。
堤体は重力式アーチという珍しい型式で、水圧を己の重量と、左右の岩盤に逃して支える仕組みである。
ちなみに、この型式のダムは、国内に11基しか存在しない。
ダムを眺めると、どことなくスッキリした感じがしてくる。
その理由は何かと探ると、天端に突起物が一切無いことに気が付く。
天端にはラジアルゲートが設置されているが、ゲートの巻き上げ機や母屋などが、全て天端の柵の高さレベルに調整されている。
見られることを意識して造られたデザインなのだろうか。
このことを管理者に聞いてみると、積雪時のメンテナンスのしやすさからこのデザインを採用したという。
すぐ上流には九頭竜ダムという大ダムがあるが、こちらの鷲ダムも非常に美しいので、九頭竜ダム同様、じっくりと、そして、ゆっくりと見学をしてほしいダムである。
右岸より堤体を眺める。
珍しい重力式アーチ型式。
クレスト部にはラジアルゲートが5門。
その左に、ハウエルバンガーバルブを隠し持っている。
バルブと減勢工。
天端を眺める。
スッキリとした綺麗なデザイン。
上流横より堤体を眺める。
ダム湖より堤体を眺める。
発電用の取水口。
下流より堤体を眺める。
もう少しだけ樹木の高さが低ければ・・・。
スペック
ダム名 | 鷲(わし)ダム |
ダム型式 | 重力式アーチ |
河川名/水系名 | 九頭竜川/九頭竜川水系 |
所在地 | 福井県大野市鷲13字西ケ谷1-2 |
位置 | 北緯35度54分12秒 東経136度40分22秒 |
着工年/完成年 | 1965年/1968年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 44.0m |
堤頂長 | 277.0m |
堤体積 | 114,000立方m |
流域面積 | 334.3平方km |
湛水面積 | 62ha |
総貯水容量 | 9,650,000立方m |
有効貯水容量 | 6,100,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 電源開発(株) |
本体施工者 | 前田建設工業 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 461.0m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 450.0m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ラジアルゲート | 5門 | |
洪水吐 | ハウエルバンガーバルブ | 1条 |
アクセス
仏原ダムより国道158号線を岐阜方面へ進む。
九頭竜川と共に13.5km進むと、右手に鷲ダムが見えてくる。
右岸に駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
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