北海道電力(株)が所有する発電専用ダム。
下流の下新冠ダムとの間で揚水発電をおこなっており、このダムは上部ダムにあたる。
両ダムの間にある新冠発電所にて、最大234m3/sの水量を用いて20万kWの発電をおこなっている。
ちなみに、この発電所は北海道初の揚水式発電所ということになる。
型式はロックフィルダムだが、堤体に草木が生い茂っているので、一見、アースダムに見えてしまうが、堤高が100mを超えているのでそうではない事に気付く。
堤体下流面には、天端から堤体直下まで続く道が九十九折に造られており、これがアースダムに見える要因の一つになっていると思われる。
放流設備は右岸にあり、クレスト部にラジアルゲートが2門。
茶褐色に塗装されたゲートは北海道電力らしさをあらわしている。
発電用の取水口も右岸に設置されており、ごく一般的な発電用取水設備の様。
揚水発電用のものには思えない造りだった。
このダムへのアクセスは困難を極める。
穴ぼこが多数あいたダート道を25kmほど進まねばならない。
単純に、ダート道入口からダムまで1時間はかかると思ってよいだろう。
ヒグマや鹿などの野生動物も出るので注意が必要だ。
一人での訪問、日没間際の訪問は絶対的にお勧めできないダムである。
下流右岸側より堤体を眺める。
ロックフィルダムだが、草が生い茂っている。
下流面には管理用の道路がある。
右岸に設置されている洪水吐。
ラジアルゲートが2門。
ダム湖側よりラジアルゲートを眺める。
北海道電力らしく黒色に塗装されている。
ゲートからの導流部。
堤体をダム湖側より眺める。
結構荒れている。
天端より下流を眺める。
手前に洪水吐からの導流部が見える。
直下には発電所が。
洪水吐の呑口とダム湖。
数十km奥に、奥新冠ダムがある。
天端を眺める。
自動車での通行可能。
天端からの眺め。
手前のコンクリートは洪水吐への導流部。
奥に見えるゲートは、発電用の取水口。
発電用の取水口のアップ。
天端より堤体下流面を眺める。
道路が見えるが、堤体はまだまだ下へと続く。
左岸より堤体を眺める。
ダム湖の様子。
スペック
ダム名 | 新冠(にいかっぷ)ダム |
ダム型式 | ロックフィル |
河川名/水系名 | 新冠川/新冠川水系 |
所在地 | 北海道新冠郡新冠町字岩清水 |
位置 | 北緯42度36分24秒 東経142度33分25秒 |
着工年/完成年 | 1970年/1974年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 102.8m |
堤頂長 | 326.0m |
堤体積 | 3,071,000立方m |
流域面積 | 309.9平方km |
湛水面積 | 435ha |
総貯水容量 | 145,000,000立方m |
有効貯水容量 | 117,000,000立方m |
ダム湖名 | 新冠湖(にいかっぷこ) |
管理 | 北海道電力(株) |
本体施工者 | 鹿島建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ラジアルゲート | 2門 |
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