ダムカレー発祥の地を訪れてみませんか
どこですか?

福地ダム

沖縄県

内閣府沖縄総合事務局が管理する多目的ダム。
堤高91.7mのロックフィルダムで、沖縄県内最大の総貯水容量と、最高の堤高を誇っている。
設計はアメリカがおこない、1969年から米国陸軍工兵隊が建設をはじめたが、1972年、沖縄が日本に返還されることとなり、その後は日本政府がダム建設を継承した。
これを記念して、堤体左岸に日米継承記念碑が建てられている。
福地ダムは、上水道用水や工業用水を確保する利水の他、洪水調節をおこなう多目的ダムで、沖縄本島北部メインのダムとなっている。
ダム湖へは、さらに北部にある辺野喜ダム、普久川ダム、安波ダム、新川ダムの水が集められ、貴重な水資源を無駄なく運用している。
洪水吐を2つ持っている特徴的なダムで、ひとつは下流部、もうひとつは最上流部に設置されている。
下流部の洪水吐は、一見、フラップゲートと思われるゲートが装備されているが、これはドラムケートと呼ばれるもので、 ゲート下部にある空間に貯水池の水を注水することによって開閉をおこなうという、珍しい構造のものである。
また、さらに凄いのは上流洪水吐で、国内最大のサイフォン式洪水吐となっている。
珍しいのはこれだけではなく、洪水吐から流れ出た水は、直接太平洋に放流されるのである。
海へ直接放流するダムは、私の知る限り、この福地ダムと長崎県にある鷹島ダムのみである。
この上流洪水吐は一見の価値があるので、沖縄訪問の際は立ち寄って損はないだろう。


下流右岸より堤体を眺める。
上部の方が勾配が急に見えるが気のせいだろうか。

ダム湖左岸側より堤体を眺める。
堤体はいたって普通のロックフィルダム。

天端を眺める。
天端は一般道となっている。

天端右岸にある日米継承記念碑。
このダムは、アメリカと日本の協力で施工された。

下流洪水吐。
フラップゲートに見えるが、水圧・浮力を利用したドラムゲート。

下流洪水吐の導流部。

取水口の呑口と思われる設備。

天端よりダム湖を眺める。
細長いダム湖で、末端は太平洋のすぐ脇まで続いている。

上流洪水吐のサイフォン施設。
国内最大のようだ。

その先の導流部。
一般的なダムの導流部と何かが違う。

導流部の先は太平洋。
海に直接放流される。


おすすめ商品

スペック

ダム名福地(ふくじ)ダム
ダム型式ロックフィル
河川名/水系名福地川/福地川水系
所在地沖縄県国頭郡東村字川田1105-108
位置北緯26度38分51秒 東経128度10分28秒
着工年/完成年1969年/1990年
用途洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水/工業用水
堤高91.7m
堤頂長260.0m
堤体積1,622,000立方m
流域面積78平方km
湛水面積254ha
総貯水容量55,000,000立方m
有効貯水容量52,000,000立方m
ダム湖名福上湖(ふくがみこ)
管理内閣府沖縄総合事務局
本体施工者熊谷組・鹿島建設

水位

設計洪水位EL 87.3m
洪水時最高水位(サーチャージ水位)EL 86.5m
平常時最高水位(常時満水位)EL 83.5m
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位)
最低水位EL 44.6m

放流設備

用途形状サイズ放流能力
上流洪水吐サイフォン式W7.00m×H5.00m×6門 
下流洪水吐鋼製ドラムゲートW15.00m×H5.40m×2門 
非常用ゲート高圧スライドゲートW1.20m×H1.50m×1門 
石川向けゲート高圧スライドゲートW0.60m×H0.73m×1門 
久志向けゲートジェットフローゲートΦ0.9m×1条 
河川維持用ゲートジェットフローゲートΦ0.15m×1条 
久志向けバイパスゲートジェットフローゲートΦ0.8m×1条 

アクセス

沖縄自動車道宜野座ICより、国道329号線をひたすら北上。
13.09km走ると、国道331号線との交差点にさしかかるので、ここを右折。
国道331号線に入る。
27.4km走ると、国道331号線は左折するかたちで太平洋から離れるが、ここは直進。県道70号線に入る。
すると間もなく、福地ダムへの案内板が現れるので、この通りに左折。
2.7kmほど走ると福地ダムの天端に到着する。
各所に駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
なお、上流洪水吐へは、福地ダムの左岸から山を下り、突き当たりの県道70号線を左折し、7.88km走れば左手に見えてくる。
看板などがあるので見落とすことは無いだろう。


コメント

タイトルとURLをコピーしました